他人に転売する目的で銀行口座を不正開設する「口座詐欺」に手を染める人が後を絶たない。捜査関係者によると、口座は“裏ルート”を通じて4、5万円で取引され、「金になるから」と安易な気持ちで開設、転売する人が多いという。転売後の通帳やキャッシュカードは、振り込め詐欺の道具として悪用されており、県警は「振り込め詐欺を助長する犯罪」として取り締まりを強化している。
県警捜査2課によると、5月中に摘発した振り込め詐欺関連の犯罪は12件・14人(暴力団員1人含む)。うち1件・1人が架空請求詐欺の実行犯で、残りの11件・13人は、口座詐欺など、いずれも口座の不正な取得・売買に絡む“助長犯”の摘発だった。
捜査関係者によると、インターネットの掲示板などでは「口座買います」という書き込みが多く見られ、小遣い稼ぎや生活費欲しさに応募する人が多いという。最近は金融機関で口座を新規開設する際のチェックが厳しくなったため、過去に作り、現在は使っていない通帳などを売るケースも増えている。
通帳やカードは、いわゆる「道具屋」が買い取り、他人名義の携帯電話などの犯行ツールとともに、振り込め詐欺の実行犯グループに供給する仕組みになっているという。
県警振り込め詐欺対策プロジェクトチームの宇都和人統括官は「助長犯を摘発して実行犯への道具供給を断ち切ることで、振り込め詐欺を少しでも減らしていきたい」と話す。
一方、口座詐欺などの取り締まり強化を受け、エクスパック(郵便小包)や宅配便を使って送金させる手口も増加している。県警は新たな手口も見逃さないよう、被害予防や摘発に力を入れる方針だ。
<ポイント>
【県内の振り込め詐欺被害】 ことしは5月までに38件・約3162万円の被害届があった。昨年同期に比べ38件・2627万円少ない。手口別では▼架空請求詐欺 17件・1479万円▼融資保証金詐欺 13件・611万円▼オレオレ詐欺 6件・942万円▼還付金詐欺 2件・130万円―となっている。県警は「犯人はほとんどが電話やメールなどで接触してくるが、見えない相手を信用してはいけない。不審な電話などは、すぐに周囲の人や警察に相談を」と話している。
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