
地元住民が再生した棚田で、田植えに挑戦する園児たち
美しい棚田をよみがえらせようと、別府市内竈地区の住民が「内竈・堂面棚田を再生する会」(荒金良一会長)をつくり、休耕田の整備を進めている。1970年の減反政策以降、農家の高齢化や担い手不足などから、約8ヘクタールあった棚田の半分近くは荒れてしまったという。住民の手で農村景観を守るとともに、地域交流の場として役立てようと動きだした。
内竃地区は市東北部に位置する中山間地域。20年ほど前まで棚田が広がり、水はけのよい田で取れるコメは「味がよい」と評判だった。別府湾を見渡せる眺望は写真愛好者の撮影スポットとしても親しまれていた。
現状を見かねた荒金会長(77)らは、昨年春ごろから休耕田の活用法を模索。有志24人が今年4月に同会を結成した。
計約3・3ヘクタールの荒れた土地を所有者から無償で借り、本年度はまず約0・8ヘクタールを整備。丸3日間かけて生い茂った草を刈り、土地を耕し、ソバや稲を植えた。7月にはソバの白い花を楽しめる予定。秋には菜種をまく計画という。
活動は、本年度の「泉都別府ツーリズム支援事業」の一つに選ばれている。棚田を農業体験の場として活用していく考えで、9日には市内のひらた保育園の園児17人が田植えを体験。泥んこになりながら、もち米の苗を手で植えた。今後、成長を観察してもらい、収穫やもちつきも一緒に取り組んでいくという。
「かつて、夜には『田(た)毎(ごと)の月』が眺められ、一枚一枚の棚田に映る見事な満月が絶景だった」と同地区で生まれ育った荒金会長。「農業体験のない子どもや留学生らにも来てもらい、地域とつながる場にしたい」と話している。
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