大分県内の製造業で減産緩和の動きが出始めた。この半年間で急降下した県鉱工業生産指数(季節調整済み)が、3月は前月比9・2%上昇。昨夏以降、減少傾向が続いた県の貿易輸出額も4月はプラスに転じた。県内の主要メーカーでは東芝大分工場が一時帰休を解除したのをはじめ、在庫調整が一巡し生産回復の兆しがうかがえる。
2005年の平均を100とした県鉱工業生産指数(3月)は78・4と、6カ月連続して低下していた指数が上昇に転じた。特にワイヤハーネスやモーターなど電気機械の上昇率が50・2%、半導体など電子部品・デバイスが46・7%と大きく伸びた。
4月以降の指数はまだ公表されていないが、2―3月に計21日間の一時帰休を実施した東芝大分工場(大分市)は、4―6月も一部で継続する予定だった帰休を、6月に入ってすべて解除。同社は「高機能品主体の生産ラインはフル生産に近い稼働状況」と説明する。
昭和電工(同市)でも75%まで落ちたエチレンプラントの稼働率が95%まで改善された。中国などでの市況回復が主な要因という。
輸出型産業が集積する大分県だけに、製造業の生産回復が貿易輸出額の下落にも歯止めをかけた。4月は514億円で、3月の373億円から上昇に転じた。
しかし、県内の製造各社は回復傾向を実感しながらも、「回復が本物かどうか、分からない」と慎重な姿勢を崩していない。県産業創造機構などは「現状は在庫調整の効果によるもの。エコポイントや環境対応車の購入助成金など、国内外の景気刺激策にどれだけ成果が上がるかはこれからの話。外需依存度が高いだけに、世界経済の回復にも注目しなければならない」。
県経済の本格回復に向けては、延期となっている新日鉄大分製鉄所第1高炉の火入れ、日田キヤノンマテリアルの着工時期に注目が集まる。
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