
「島の素晴らしさを伝えたい。それが地域活性化に役立つ」と話す大川さん=保戸島漁港
異国情緒さえある港の住宅地を抜け、小高い丘に観光客を案内する。「風の音、鳥のさえずりしか聞こえません。豊かな自然の島を楽しんでください」と呼び掛ける。一瞬、観光客のおしゃべりはとぎれ、潮風が香ってくる。
津久見市保戸島の小料理「大川」の若女将(おかみ)、大川直子さん(37)が県や市などによる団体客受け入れの島ガイドとして頑張っている。昨年、市の観光担当職員から「観光振興のために」と強引に勧められて始めたばかりだ。誠実なガイドぶりに島外からの観光客の評判は良い。ときには外国人も訪れる。
福岡市出身。福岡で会社員をしていた保戸島出身の夫義宣さん(34)とOL当時に出会い、結婚。11年前、3代目を継ぐ義宣さんのUターンに伴い保戸島に移り住み、若女将の修業が始まった。
以前も島に来たことはあったが、住むとなると話は別。子どもは小さく、生活環境や家業の手伝いなどで、目の回る日々だった。いまでも忙しさは変わらないが、長女藻(も)映(え)子(こ)さん(10)、次女和(わ)子(こ)さん(6)、三女楓(ふう)子(こ)ちゃん(4)を含め、家族が温かく見守っている。
「島は独立心の旺盛な漁師さんが多いせいか、地域づくりなどに力を合わせるのが苦手。でも、みんなで新鮮な魚や加工品を持ち寄って提供すれば喜んでくれる。それが高齢化が進み、若い人が減っている島の活性化につながると思います」
毎年、しっぽの切れたおおきなエイが船着き場に戻ってくるという。「今は南の島に遊びにいっています」と語りかける口ぶりに、年配夫婦がにっこりとほほ笑む。ガイドを通じ、また新しい島のファンが誕生したようだ。
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