
全国市議会議長会からの「10年表彰」を受け、感慨もひとしおの衛藤良憲さん=8日午前、大分市議会本会議場
視覚障害者で大分市議の衛藤良憲さん(58)=県盲人協会長=が議員在職10年を迎え、全国市議会議長会から表彰を受けた。九州初の“全盲の市議”として「障害者が暮らしやすい街こそ、市民みんなが住みよい街」と訴え、定例議会では一般質問を欠かさない。「多くの人が支えてくれたおかげ。まだ、道半ば。障害者の声を市政に届けるため、もっと頑張らねば」と決意を新たにしている。
衛藤さんは先天性の弱視。県立盲学校を卒業後、はり・きゅう治療院を市内で営みながら、点字ブロックの敷設推進を訴える運動などに携わった。しかし、行政の施策にはなかなか反映されず、「もどかしさが募るばかりだった」という。
45歳で完全に失明したが、「障害者の市議が必要」との思いを抑えきれず、1999年4月の市議補選に出馬。街頭演説では手話通訳者が横に立ち、長男の憲一さん(34)も会社を辞めて付き添った。衛藤さんは「何も分からず手探りの選挙だった」と振り返る。
視覚障害者の地方議員は、九州では衛藤さんただ一人という。市が補助業務として行っているのは、主に(1)会議資料などの点字版作成(2)議場の登壇や行政視察の介添え―の2点。衛藤さんは「過度な対応は不要。議会活動に必要最低限の補助で十分」。市議会事務局は「本人の意思と状況に応じたサポートに徹している」と話す。
年に4回ある定例市議会では一般質問を欠かしたことがない。初当選以来の一般質問回数は3月定例会で40回に達した。質問内容は、障害者福祉の充実はもちろん、行財政改革、環境問題などにも切り込む。
ただ4期目を迎え、自分にしかできない仕事を徹底的にやりたい、と思っている。「障害者は移動する際にタクシーやバスに頼らざるを得ないケースが多く、経済的負担が大きい。障害者であるために被る不利益は、国や自治体で補完すべきだ。今後は福祉行政の不備を一つ一つ解決していきたい」と目標を掲げた。
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