
認知機能検査の研修をする検査担当者。検査の工程をチェックし、本番に備えている=大分東自動車学校
道路交通法の改正で、6月から75歳以上の高齢者ドライバーに認知機能検査(講習予備検査)が義務付けられた。県内の対象者は約6000人。目的は「より安心、安全に運転してもらうため」(県警運転免許課)。しかし、認知症と判断されて免許を失効すればショックも大きい。中には“生活の足”を失う高齢者も。関係者は何らかの配慮を求めている。
検査は免許証の更新時、既に義務付けられている高齢者講習とともに県内17カ所の自動車学校で実施される。主な内容は(1)今の年月日、曜日、時刻を答える(2)16個の絵を記憶して答える(3)指定された時刻の時計の絵を描く―など。時間は30分。結果は「低い」「少し低い」「心配ない」の3段階に分かれ、高齢者講習時間内に本人に知らされ、講習内容にも反映される。
免許取り消しの対象になるのは「低い」と判定され、更新期間満了日の1年前から更新申請日の前日までに「信号無視」「一時不停止」など定められた15項目のうち一つでも違反がある人。医師の診断を受けて認知症と診断されれば、免許停止、もしくは取り消しとなる。
検査導入の背景には、高齢者が犠牲となる交通死亡事故の増加などがある。県警運転免許課は「高速道路の逆走や、たばこを買いに行くと告げて出掛け、隣町で事故を起こしていたケースも。認知症が原因と思われる事故が目立つようになった」という。
一方、検査の必要性は認めるものの、高齢者への配慮を求める声も強い。
県老人クラブ連合会の平智会長(81)は「事故防止は大事なこと」と理解する。「ただし、県内には交通の不便な地域が多い。車を運転しなくても生活できる地域づくりも進めてほしい」と行政へ要望している。
認知症の人と家族の会県支部(大分市)の藤田淳子事務局長も「認知症と診断され、免許が失われるのは本人も不本意だと思う。自尊心を傷つけないような対応も大事」と話している。
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