地域住民の防火意識の向上に貢献してきた県内の「婦人防火クラブ」が、減少の一途をたどっている。背景には過疎・高齢化による後継者不足があり、10年前と比べるとクラブ数、人数とも約4割までに激減。県婦人防火クラブ連合会によると、現在のクラブ数は全国で下から2番目、九州では最下位という。
県内で最大の減少幅となった佐伯市では、クラブ数が10年間で25から3に激減。過疎・高齢化に伴って旧南海部郡を中心に大半のクラブが後継者が見つけられないまま、“消滅”するケースが相次いだ。
佐伯市消防本部は「旧郡部はかつて、女性の防火活動が盛んだっただけに非常に残念」と話す。市街地に勤務する男性が増え、農山漁村では昼間の消防力低下も深刻な課題。「女性消防団員の確保にも力を入れているが、現状は難しい」(同本部)と悩みは深い。
さらに中津、豊後高田両市はこの10年で婦人防火クラブがゼロの“空白地”に。豊後高田市消防本部は「高齢化で委員の補充ができず、廃止手続きを取らざるを得なかった」と言う。
一方で、積極的に活動するクラブも多い。竹田市の竹田南高校(後藤幹雄校長、125人)は、校内の女性職員13人が「防火クラブ」を組織する。生徒の7割以上が寮・下宿生活を送る事情もあり、事故に備えて職員全員が毎年、救命講習を受講しているという。
さらに別府市では昨年11月、約2年半ぶりに婦人防火クラブが復活。県消防保安室は「県内には『女性消防隊』として活躍する団体もある。県としても、民間防火組織の活動を支援していきたい」としている。
県婦人防火クラブ連合会の滝川智代美会長(56)は「地域に根差し、顔なじみの女性たちだからこそ地域の防火・防災に貢献できる。クラブを増やすのが課題とは承知しているが、それには行政のサポートが絶対に必要だ」と話している。
婦人(女性)防火クラブ 防火防災意識の啓発などを目的に、地域の婦人会などを母体組織として結成。地域全体の防火意識の高揚を図るとともに、現在は住宅用火災警報器の普及・促進などに取り組む。消防庁によると、全国では1万1586団体・約182万人(昨年4月現在)が活動しているが、減少傾向に歯止めはかかっていない。
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