
臨時議会で議案質疑を聞く西嶋泰義市長(右端)=11日午後、佐伯市議会
佐伯市議会は今月十一日の臨時会で、市教育長の武田隆博氏の教育委員再任案を賛成少数で不同意とした。県教委汚職事件に絡み、議会は教育長の監督責任を追及。市執行部側は「現状を知る適任者」と理解を求めたが、小矢文則県教育長の再任と正反対の議会判断に困惑している。「わたしと議員の間に認識のギャップがあった」と西嶋泰義市長。議会、市長の双方の隔たりとは何だったのか―。
唐突な提案批判
議案質疑で「あれほど世間を騒がせた事件。教育長再任は重要な問題なのに全く説明がなかった」と唐突な提案に批判が相次いだ。反対した市議の一人は「質疑の場があるから、やっと市長の考えを聞くことができたようなもの。認識の甘さの表れだ」と憤った。
辞退の意向を示していたという武田氏を「火中のクリを拾う覚悟で信頼回復への取り組みを続けてほしい」と慰留した西嶋市長。「(武田氏は)自ら襟を正すとして減給処分を受けた。すでに重い責任を取っている。再任に説明は必要ないと考えた」と反発した。
賛成した議員の一人も「県教育長再任では、広瀬勝貞知事が議会にも県民にも思いを伝えた。市長は無理を言って武田氏を引き留めたのなら、理解が得られるように努力すべきだった」と首をかしげる。
最大会派の混乱
議会と執行部のすれ違いは、臨時議会前の七日に開いた議会運営委員会にさかのぼる。執行部は提出予定議案を報告したが、出席議員の一人は「常任委員会の構成や定数、新議長の選出方法などが話題になった程度だった」と問題視しなかったことを悔やむ。市幹部は「再任に関し、詳細説明の要求もなかったため、てっきり本会議も通過すると思った」と振り返る。
最大会派の議員は「会派内から議長候補者が二人出たために混乱していた。議長選の一本化に関心が集まった」と“お家の事情”を明かす。西嶋市長は「議長も決まっていない。会派もまとまりのない状況では話の持って行き場もなかった」と漏らす。
今回の判断について小野宗司議長は「民意を反映した結果だ。けじめをつけ、新たな教育長によって改革に取り組んだほうが早いのではということだ」と言う。教育委員の一人は「教育長ポストの空白は異常事態。改革への取り組みに遅れが生じるのでは」と懸念を示す。信頼回復のスピードを緩めないためにも、一刻も早い新教育長の選任が待たれている。
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