
はちみつを取り出す作業をする枝次秀樹さん=由布市挾間町
県内の養蜂(ようほう)業が衰退の一途をたどっている。四半世紀ほどの間に業者は半数以下、生産量は二十分の一に激減。背景には、中国産はちみつの大量流入、業者の高齢化、さらにレンゲ畑などハチがみつを得る「みつ源」の大幅な減少がある。親しまれてきた県産はちみつは貴重品になりつつある。
県家畜衛生飼料室によると、県内のミツバチ飼育業者は一九七五年の百九十一戸をピークに減少を続け、二〇〇八年には七十二戸になった。また、みつ源となるレンゲや菜の花の栽培面積も、農地にすき込んで「緑肥」にする農家が減ったことや害虫の影響で縮小。特にレンゲは七〇年度に約二千三百ヘクタールだったのが、〇七年度は約四百ヘクタールに。
このような影響を受け、県内のはちみつ生産量も八〇年の約四百二十トンから、〇七年には約二十トンにまで落ち込んだ。
同室は「業者の高齢化が大きく影響しているようだ。みつ源が減り、労力が必要な割に採算性がよくないといった理由で、ハチの飼育数を減らす農家もある」と話す。
由布市挾間町で養蜂を営む枝次秀樹さん(44)は父の後を継いだ二代目で、県内では数少ない若手の一人。「同年代の養蜂家は県内に二、三人しかいない。養蜂技術を身に付けるには長い時間が必要で、新規参入はほとんどいない」と話す。
父の時代には、みつの生産だけで経営が成り立ったが、今はハチの貸し出しや販売が主力。「みつ源の減少で、みつの採取量が少なく、需要はあるのに十分な供給ができない状態が続いている。このままでは、養蜂技術を持った人材が県内からいなくなってしまう」と不安を募らせている。
<ポイント>
ミツバチ 大量死や集団失踪(しっそう)が全国各地で問題となっているが、県養蜂組合の中家康博事務局長は「県内でミツバチの異常に関する報告はない。イチゴやスイカなどの受粉は、県内業者が飼育するハチで賄えている」と話している。県によると、はちみつは中国産が一キロ当たり数百円、県産は約二千円で取引されている。
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