
老犬ホームのリビング。段差のない完全バリアフリーで、ソファやクッションが並ぶ
視覚障害者の生活を支え、職務を全うした盲導犬に穏やかな余生を―。大分市の社会福祉法人「七瀬陽史会」(外川陽一理事長)は、第一線を退いた犬を引き取る“老犬ホーム”を同市廻栖野に開いた。九州盲導犬協会(福岡県)によると、専門的に受け入れる施設は全国でも珍しく九州では初めて。年内にも引退した犬を受け入れる予定。
老犬ホームは「和泉しあわせの丘 りあん」で、同法人が運営する老人ホームの敷地内にある。管理者の外川水奈子さん(35)は動物病院に長年勤務し、トリマー(犬などの理容師)として十年余りの経験を持つ。「視覚障害者に尽くしてリタイアした犬を人々が見守り、互いに癒やされる場所を目指したい」と水奈子さん。
老人ホームでは、犬とお年寄りの触れ合いを推進している。老犬ホームでも、高齢者や子どもたちが気軽に訪問して犬と触れ合えるようにする。長年一緒に暮らした視覚障害者(ユーザー)と離れ、新しい環境で寂しさを募らせる盲導犬が多くの人と出会うことで、「生きがいを感じて楽しく老後を過ごしてほしい」と願っている。
同協会によると、盲導犬はおおむね十歳を過ぎると引退。その後、ボランティアが引き取って老後の世話をするケースが一般的。同協会は「ユーザーは生活を共にした盲導犬が幸せに過ごしているかとても気になる。専門施設は非常に意義深い」と期待を寄せる。
今後、老犬ホームは犬の毛を切りそろえたり、洗ったりする「グルーミング」の営業を行い、施設の運営費を賄うという。水奈子さんは「盲導犬の育成を進めるには、リタイア犬が安心して暮らせるよう“出口”を整えることも重要。ぜひ自主運営を軌道に乗せたい」と話している。
りあんは、午前九時から午後六時まで。日曜は定休。グルーミングの受け付け、問い合わせは外川水奈子さん(TEL090・5747・6551)まで。
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