
巣箱の中を確認する豊東勇さん(大分合同新聞本社4階屋上)
琥珀色の輝き
遠心分離機をぐるぐる回すと琥珀(こはく)色に輝くはちみつがゆっくりと糸を引いて流れ出た。スプーンでひとすくいして口に含むと、ソメイヨシノや菜の花の風味が広がった。
ミツバチが危ない。全国的にミツバチ不足が叫ばれ、「群れが集団失踪(しっそう)した」「野菜や果樹の交配ができない」と悲鳴が上がっている。現在、国内で養蜂(ようほう)されるのは、主に明治期以降導入された西洋ミツバチ。集団死の原因で農薬などが問題視されているが、人とミツバチとの関係がおかしくなっているのは確かだ。
ビルが立ち並ぶ大分市中心部の「まちなか」で、養蜂は可能なのか―大分合同新聞本社(大分市府内町)に四月初め、巣箱を置いた。養蜂の指導をお願いした豊東勇さん(80)=大分市木上=は「まちなかでもたっぷりみつはありますよ。心配いりません」と話したが、言葉通りに十日後には採みつできた。ミツバチたちが林立するビルの上を悠々と飛び交い、花のみつを集めてきたのだ。
9割超す輸入
「働きバチは汚染したみつを採ってきたら巣に入れてもらえない。群れ全体が生命体で、異物には敏感です。人間に自然環境の悪化を伝える環境指標生物なのです」と豊東さん。田畑から遠い大分まちなかの自然環境は思いのほか良好だった。
自然の恵みでもあるはちみつだが、過去には中国産輸入はちみつから残留農薬や抗生物質が検出された。国内流通の九割以上は輸入品で、身近なはちみつにも食の危機が忍び寄る。県養蜂組合前組合長の藤田定喜さん(74)=日田市元町=は「ミツバチの働きぶりはすごいですよ。きちんとした養蜂家がつくる国産はちみつは安全だし、栄養価も高い。自然と共生している証しです。人間もミツバチを見習うべきだと思うのです」。
(随時掲載)
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大分合同新聞社が社会貢献をするために組織した「NPO法人大分研究所」は今春、屋上養蜂を始めた。二―四キロを飛ぶミツバチの行動範囲は、大分まちなかはもちろん上野の森から明野の台地、西大分のミカン畑、別府湾岸にまで届く。さて、まちなかのミツバチたちがどんなドラマが見せてくれるのか。あわせてミツバチが行き交う自然豊かなまちづくりをリポートしていきたい。活動の様子はブログ(http://news.oitablog.jp/honeycomb/)でも公開する。
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