
「国内発生していない今の状態を維持することが重要」と話す平松和史准教授
世界的に発生が危惧(きぐ)されていた新型インフルエンザがついに確認された。二十八日現在、日本国内での感染者報告はないが、専門家は「いつ国内で発生してもおかしくない。流行を防ぐ対策が急務」と指摘する。感染症に詳しい大分大学医学部付属病院・感染制御部の平松和史准教授(46)に新型インフルエンザの発生要因、対処法などについて聞いた。
―今回の新型インフルエンザの発生メカニズムは。
豚の体内に取り込まれたヒト、鳥、豚の各インフルエンザウイルスが遺伝子交雑して新型が生まれたのだろう。
―なぜ豚を介して発生したのか。
豚はさまざまなウイルスを体内に取り込みやすい性質を持つ。過去、香港風邪(一九六八年に流行)のウイルスも豚を介して発生した。専門家の間では新型が発生するとすれば「鳥―ヒト」感染より「豚―ヒト」感染のほうが起こり得るという意見もあった。
―新型の毒性と感染力はどの程度か。
メキシコでの致死率は非常に高いが、逆にメキシコ以外では(二十八日の段階で)死者は出ていない。毒性の強弱はもう少し見極めが必要だ。感染力は従来のインフルエンザ並みとみられるが、新型のため抵抗力を持っておらず、感染しやすいと思われる。
―まだ日本国内で感染報告はないが。
世界的に感染が広がっており、日本に入り込む可能性は十分ある。観光やビジネス面で日本人が多く行き来する米国で感染者が増えれば、リスクはさらに高まる。
―現時点で一番求められる感染防止対策は。
個人がマスクや食料を備蓄するのも大事だが、国内発生が起きていない状態をいかに維持するかが先決。海外から帰国直後で体調の悪い人は速やかに保健所に相談してほしい。そこで感染拡大を食い止めれば国内流行を防ぐことが可能だ。
―万が一、流行した場合はどう対処すればいいか。
くしゃみ、せきによって飛沫(ひまつ)感染するとみられるので、マスク着用や手洗いを心掛けてほしい。県が備蓄している抗ウイルス薬(タミフル)は有効だ。冷静に対処してほしい。
(聞き手は社会部・吉田正史)
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