
小雨がぱらつく中、かっぱを着てリヤカーを引きながら豆腐を売る「ワークスペース樫の木」の利用者=20日午後1時半、大分市
プォーン、プー。「豆腐はいらんかえー」―。大分市牧のハンディのある人たちが働く授産施設「ワークスペース樫の木」(仲摩清施設長)は今月から、ラッパを鳴らし、リヤカーを引いて売り歩く昔ながらのスタイルで豆腐の販売を始めた。懐かしい音色に誘われて家を飛び出し、豆腐を買い求める人もいる。
二十四人が働く樫の木では、アルミ缶の回収やシール張り、紙箱折りなどの作業をしている。ところが昨年からの不況で、アルミ缶の買い取り価格が一キロ当たり百六十五円から四十円に下落。アルミ缶回収が収入の“柱”だっただけに、利用者の工賃も大幅にダウンした。
そこで新たな一手として考えたのが豆腐の販売。豆腐製造業「とうふ屋」(同市羽田)の佐倉留美子専務の提案もあり、リヤカーで売るスタイルにした。
豆腐は同市木佐上地区の大豆で作ったものを、とうふ屋から卸値で買い入れる。リヤカーは、大分みらい信用金庫の取引先などでつくる「みらいしんきん同友会」からの寄付で作った。
当面は、三人の施設利用者が販売を担当し、牧地区周辺で毎週月曜日の午後一時から販売する。「おつりの計算や客への対応は、利用者にとって新たな挑戦。地域の人との触れ合いが増えることも期待したい」と樫の木の森島京子支援員。
仲摩施設長は「さまざまな人の協力に感謝している。ラッパの音が聞こえたら、通りに出て励ましていただければありがたい」と話している。
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