
ピーク時には156隻の漁船があった津久見市の保戸島漁港。「借り入れがあって廃業したくてもできない」の声も
津久見市保戸島のマグロ漁船が国際的な漁業規制強化に伴って九隻廃業し、三月末までに二十六隻となった。マグロ漁を取り巻く環境の厳しさから長期的な減船傾向が続いているが、全国的に知名度の高い県内マグロ漁業だけに規模縮小を惜しむ声がある。
水産庁の減船方針によって廃業申請が出されたのは、遠洋マグロはえ縄漁業が六十四隻、保戸島鮪(まぐろ)延(はえ)縄漁業船主組合などで担う近海マグロはえ縄漁業(全国近海かつお・まぐろ漁業協会)が二十三隻で、計八十七隻。
船主組合によると保戸島分は一六五トン型が一隻、五九トン型が八隻の計九隻。これらの従事者は日本人三十数人、外国人が四十数人。離職者は特別雇用対策による保険などで急場をしのぎ、国内海運などへの再就職を目指すが、年齢の高い世代には難しいという。
保戸島のマグロ漁船は、一九七五年ごろから八五年ごろのピーク時には百五十六隻あった。魚価の低迷、燃料費の上昇などで採算が悪化。「二、三年ごとに千二、三百万円の維持・検査費用が掛かる」(船主)ことも重い負担となっている。従事者の高齢化、後継者や乗員の不足、海外での漁獲削減圧力にも直面。先行きの厳しさから、さらに減船を希望する船主もいるという。
廃業した船主の一人は「所属船が減って魚のいる場所を互いに知らせ合うことが難しくなった。赤字が少ないうちに見切りをつけた」と減船の影響を語る。別の船主は「廃業することができるのはむしろ幸せ。借り入れがあってやめられない」と話している。
<ポイント>
【マグロ漁船の減船】 クロマグロやメバチマグロの個体数が減少しているため、海外水域などで国際的な漁獲規制が年々強化されている。水産庁はこうした規制に沿って昨年度、国内漁船の1、2割を減船させる方針を決め、関係自治体を通じて廃業申請を受け付けてきた。今月以降、救済費や処理費の申請・交付が行われる。
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