木下大サーカス大分公演(大分合同新聞、大分合同福祉事業団主催)は十四日、最終日を迎えた。小雨が降るあいにくの天気だったが、大分市の大分スポーツ公園H駐車場特設会場には多くの人が訪れ、スリリングな曲芸や笑いを誘うコミカルな演技を楽しんだ。
会社の同僚という同市豊町の後藤朱美さん(26)と同市光吉の馬男木(まなき)芙沙(ふさ)さん(31)は「感動した。空中ブランコなどの超人技には思わず息をのんだ。来て良かった」と満足した様子。両親と来場した同市生石の吉武凜ちゃん(2つ)は「ライオンさんがいた」とにっこり。父浩さん(46)=会社員=は「大分で再びサーカスが開催されたら、必ず見に行きます」と話した。
大分公演は二月十五日に開幕し、約二カ月の期間中に延べ二十万人が来場した。木下サーカスの木下唯志社長は「不況といわれる中で、多くのお客さまに来ていただき、大変感謝している。思い出づくりのお手伝いができたと思う。内容をさらに充実させ、また大分で公演したい」と話した。
ALSと闘う武生研辞さん 念願かない会場へ…涙
「生きていてよかった」―。筋萎縮(いしゅく)性側索硬化症(ALS)患者の武生(たきゅう)研辞さん(58)=大分市美し野=は、木下大サーカス大分公演を見て、生きている喜びをかみしめた。
研辞さんがALSを発症したのは一九九九年。現在は寝たきりの生活で、人工呼吸器が不可欠。それでも呼吸器を取り付けた車いすで、妻洋子さん(58)らと積極的に買い物や旅行に出かけている。「外出する姿をアピールすることで、ほかの患者を勇気づけたい」と研辞さん。そんな研辞さんが「ぜひ見たい」と楽しみにしていたのがサーカス。開幕前の二月初旬から洋子さんが木下サーカスに相談し、日程などを調整した。
念願がかなったのは四月十一日。洋子さんと長男雅人さん(36)に付き添われて演技を見た研辞さんは、「空中ブランコやバイクを使った曲芸に感動した」と涙を流して喜んだ。
公演終了後には、団員から色紙に書いたサインをもらい、記念写真も撮影した。この二つは研辞さんの“宝物”になり、いつでも見ることができるよう自宅のベッドのそばに置いている。洋子さんは「サーカスが再び大分に訪れたら、また夫婦で見にいきたい」と話した。
ALS
全身の筋肉が萎縮し、次第に力が入らなくなる難病。感覚や知能はそのままだが、進行すると食事や呼吸もできなくなる。有効な治療法は見つかっていない。
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