
「有権者の意思が批判票となって表れた」と述べる大分大学の奥田憲昭教授
佐伯、竹田、豊後大野、宇佐の四市長選が十二日投開票され、佐伯市を除いて現職または現職が支援した候補が敗れる結果になった。市長選で有権者はどんな意思を示したのか。大分大学経済学部の奥田憲昭教授(地域経営論)にミニ統一地方選の結果から何が見えたのか聞いた。
―竹田、豊後大野両市ではいわゆる周辺部出身の候補が当選した。宇佐市でも当選者は旧町部で得票を稼いだとされる。今回の結果をどう見るか。
三市で新人が当選し、変化を求める有権者の意思が反映された結果となった。周辺部ではかつての町村役場が支所など出先になったことへの不満が根強い。新市もそれなりに配慮してきたのだろうが、周辺部は「中心部振興策に偏重している」と受け止めており、これが現職に対する批判票となった。
―合併の負の側面ばかり目立つのはなぜか。
合併後のサービスの多くは水準を旧市(あるいは中心の町)に合わせている。市は町村に比べて福祉などで独自サービスを多く展開しており、住民に見えにくい部分のサービス量は実は向上している。一方、支所となった庁舎が旧町村役場に比べ閑散としていることや、若い人が小規模集落から本庁の近くに転出したことなどは目に見えて分かるため、住民はデメリットの方を重く受け止めてしまう。
―現職が再選された佐伯市も含め、新市長に求められることは何か。
農業の振興を第一に取り組むべきだ。市町村合併と農協の広域合併が重なり、現場の声が農政に届きにくくなっている。合併で市域が広くなったということは、農村が広くなったということだが、新市はこの四年間、市街地の振興を重視してきたのではないか。周辺部対策では観光資源をもっと活用すべきだ。福祉は高齢化の進行に対して取り組みが遅い。今回の選挙結果を踏まえ、周辺部の再生に重点を置いた地域づくりが求められる。
(聞き手は政治部・宗岡博之)
※無断転載を禁じます。 当ホームページに掲載の記事、写真等の著作権は大分合同新聞社または、情報提供した各新聞社に帰属します。
Copyright (c) 2008 OITA GODO SHIMBUNSHA