
パソコン操作の不手際で、エムネット情報をリアルタイムで確認できなかった4日の県防災危機管理課
県の「危機管理意識」が問われている。五日に北朝鮮が発射した長距離弾道ミサイル。国からの速報は各市町村へスムーズに伝達されたが、前日の誤探知騒動では緊急時に政府情報が受信できない失態を演じた。「国民保護を目的としたシステムを本格運用することはない、と思っていた。緊迫感がなかったと言えばうそになる」。県防災危機管理課は反省しきりだ。
2日間の臨時訓練
今回、北朝鮮のミサイル誤探知騒動で不具合が生じたのは内閣府の緊急情報ネットワークシステム「Em―Net(エムネット)」。全国約七割の市区町村に配備されており、県内では県と十七市町村(九重町を除く)に整備。武力攻撃など有事の際は国民保護法に基づき、政府が緊急情報をリアルタイムで伝える。
県は同課内の公用パソコンにシステムを導入。専用パスワードを政府に申請、国と県を結ぶ光回線で緊急情報をリアルタイムに受信できるようにしている。
北朝鮮のミサイル発射に備え、県は四月二、三の両日に臨時訓練を実施した。担当者は「月に一―二回は国との送受信をテストしていた。それまでは全く問題はなかった」。
ところが“発射前日”の四日、ソフトは休止状態に陥った。端末は政府情報を受信しながらも、画面上で確認できない状態に。エムネットの作動を知らせる表示を、画面上から閉じてしまったことが原因だった。
システムを入れたパソコンは通常の業務で使用していることもあり、当日は「極力使用を避けて画面の状況を目視で確認していたのだが…」と同課危機管理班。「緊張感に欠け、使いこなしにミスが生じてしまった」と“油断”を認める。
不在時は役立たず
一方、北朝鮮のミサイル騒動はエムネットの別の問題点も浮き彫りにした。
今回はミサイルを発射する期間・時間帯がある程度想定されたため、パソコンの前で緊急情報を瞬時に受け取ることができた。しかし、不測の事態が突発的に発生した場合は「担当者が部屋に詰めていない限り、国からの情報を把握することができない。市町村には消防庁からの防災行政無線(ファクス)で知らせるしか手段はない」(同班)ことも明らかになった。
エムネットの扱いでは、宇佐市など県内の他の自治体でもミスがあった。県生活環境部の安部治良危機管理監は「いかに平静時から緊張感を持ち、システムの習熟を図るか。今回を教訓にするしかない」。
近く各市町村の防災担当責任者を集め、“反省会議”を開くことにしている。
Em―Net(エムネット)
大規模な武力侵攻やテロなどに対応し、国民保護法に基づいて国民を迅速に避難させるための緊急情報を提供するシステム。2006年度から全国で導入が始まり、県は07年度に整備した。
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