
設立総会後、記者会見する代表の鈴木宗厳弁護士=30日、大分市の県弁護士会館
五月から始まる裁判員制度に向けて、裁判員候補者ら市民の相談を無料で受け、制度の問題点の改善を提言していこうと、県内の弁護士有志十八人が三十日、「裁判員支援センター」を設立した。全国的にも珍しい取り組みとしている。
設立趣旨の中で「刑事裁判に強制参加させられる国民は思想・良心の自由や表現の自由を制約され、裁判員候補者としての出頭要請を拒否すると制裁を科される恐れがある」と指摘し、拒否権を認めるよう提言。さらに、死刑判決など心理的な負担が大きい量刑の決定に裁判員を関与させないよう改善を求めている。
大分市の県弁護士会館であった設立総会で代表に選ばれた鈴木宗厳弁護士は「身分的にも経済的にも保障され自ら人を裁く道を選んだ裁判官と同じプレッシャーを一般国民に強いる制度。制度開始に重点が置かれ、問題点の議論が置き去りになっている」と述べた。
裁判員法は、評決で「有罪」と判断するためには、「裁判員と裁判官の両方が入った状態で過半数を占める」ことを条件としている。このため、有罪判決を出すためには、少なくとも一人の裁判官の賛成が必要となる。裁判員六人が有罪を主張しても裁判官三人が無罪とすれば、被告は無罪となるなど、裁判員が“お飾り”になるケースも想定される。
裁判官と裁判員が刑罰を決める評議の内容には守秘義務があり、鈴木弁護士は「国民による裁判所への監視ができない。裁判員の意見を反映させる改善が必要だ」としている。
一方「制度自体に反対するのではない」との立場から、制度への不安や疑問点の解消のため、裁判員候補者ら市民からの相談を無料で受け付ける。センター(TEL090・8910・3811)の留守番電話に連絡先を吹き込み、弁護士が連絡する仕組み。大分市内の弁護士事務所を活動の拠点とすることにした。鈴木弁護士は「国民の視点に立ち、疑問に答えていきたい」と述べた。
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