
母と担任が交換していた通信ノートを本にまとめた田中康博さん
大分市高崎の田中康博さん(58)=元銀行員=は、小学校時代に母ミサヱさんと担任の教員がやりとりしていた通信ノートの内容を本にした。母が康博さんの家庭内での様子や心配事、担任がその感想や学校生活の様子などを書きつづっている。田中さんは「半世紀前のやりとりだが、いまの親子、教師と保護者の関係に通じるものがある。いろんな人に読んでもらいたい」と話している。
出版したのは「母と先生の記録―うちからのおたより」(A6判、一八四ページ)。熊本市内の小学校に通っていた康博さんの一年から三年間のやりとりで、低学年用の国語ノート六冊に記されていた。ミサヱさんが大切に保管し、二〇〇五年に九十七歳で亡くなる前に康博さんに渡した。康博さんは原文の修正を最低限にとどめ、すべての内容を本に収めた。
康博さんは二年に進級する前後に病気で長期欠席した。学習の遅れで「学校に行きたくない」という息子にミサヱさんが悩むと、担任はさまざまなアドバイスをして「一緒に力を合わせて頑張りましょう」と励ましている。
初めて自宅に置かれたテレビに熱中して家庭学習がおろそかになるのをどう防ぐかを考えたり、運動会や遠足を元気に楽しむ様子に二人が喜んだことなどが、温かいまなざしでつづられている。
「子どもを取り巻く環境が大きく変化している。さらに、大分の教育界は混乱してもいる。この本が何かの参考になればうれしい」と田中さんは話している。
本は県立図書館に寄贈した。出版元のマツモト(北九州市)のホームページから購入することもできる。
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