小矢氏の証人申請も
◆解説◆教育界を舞台に、教員採用や昇任、異動に絡んで「カネ」が飛び交った未曾有の事件。大分地裁は起訴された八人全員に有罪判決を言い渡した。
受け取った二十万円の商品券は「あいさつ名目」と無罪を主張していた教育審議監富松哲博被告(60)に対し、地裁は「多額の商品券は明らかに常識的ではない。不合理な弁解」と断罪。判決理由で「刑事責任を真摯(しんし)に受け止めていただきたい」と異例の“説諭”を付け、この日、懲戒免職処分が決まった県教委ナンバー2に猛省を促した。
事件の捜査の過程で、口利きにより教員採用の結果が大きくゆがめられていたことが発覚。県教委は不正採用と認定した二十一人の新人教諭に辞職を促し、採用を取り消した。地裁判決は「かねて口利きによる不正が行われていた」と県教委の組織的な不正を認定。ただ、カネとコネにまみれた腐敗の「コネ」の部分には切り込まなかった。
今年二月と三月、採用取り消し処分を受けた臨時講師の男性二人が「処分は不当」と県を相手に相次いで提訴した。このうち秦聖一郎さん(23)は、刑事裁判でうやむやに終わった「コネ」にかかわる県教委の組織責任を追及する構えだ。
贈収賄事件は節目を迎え、教員採用をめぐる不正問題は刑事裁判から民事裁判に舞台を移す。そんな中、二十六日には小矢文則教育長(60)が四月以降も“続投”する人事案が県議会を通過。「なぜトップがけじめをつけないのか」「文部科学省など、しがらみのない外部から招聘(しょうへい)するべきだ」。多くの県民に不満はくすぶる。
小矢教育長は教員採用試験で、富松被告に口利きを依頼し、不正に合否を事前通知したとされる。事前通知は自身も認めているのに、通知先は明らかにしないまま「教育再生をやり遂げる」と宣言する。県民はどれほどの信頼を寄せることができるのだろうか。
民事訴訟では不正の実態解明のため、小矢教育長の証人申請も予想される。引き続き教育行政のトップに座る小矢教育長は「教育再生」に向けた意気込みを態度で示すべきだろう。(社会部・乙●(口ヘンに羊)啓太郎)
[PR]セントラル短資FX
※無断転載を禁じます。 当ホームページに掲載の記事、写真等の著作権は大分合同新聞社または、情報提供した各新聞社に帰属します。
Copyright (c) 2008 OITA GODO SHIMBUNSHA