
判決後、車に乗り地裁を出る矢野哲郎被告(右)とかおる被告=27日午後
大分県教委汚職事件で、贈賄の罪に問われた元県教委義務教育課参事矢野哲郎(53)と、妻で元小学校教頭かおる(51)両被告の判決公判が二十七日、大分地裁であり、宮本孝文裁判長は「学校教員が娘の不正合格のためにわいろを贈った犯行が、社会に与えた衝撃は大きい。大分県の教育界に対する国民の不信感をぬぐいがたいものにした」として、哲郎被告に懲役二年六月、執行猶予五年(求刑・懲役二年六月)、かおる被告に懲役一年、執行猶予三年(同・懲役一年)を言い渡した。両被告は控訴しない方針。同日は、収賄罪に問われた県教委教育審議監富松哲博被告(60)=同日付で懲戒免職処分が決定=にも有罪判決が言い渡され、これで一連の汚職事件で起訴された八人全員に一審で有罪判決が出た(うち五人は確定)。全国の注目を集めた事件は一つの節目を迎えた。
判決理由で宮本裁判長は、両被告が長女(24)=昨年七月に辞職=の教員採用をめぐりわいろを贈ったことに対し「親心も理解できないことはないが、自らの意志でわいろを贈ることや金額を決め、多額の商品券を贈ったのは悪質」と指摘。
哲郎被告については、九件・総額七百三十万円分に上る贈賄を認定。昇任や採用試験の合格に絡み、懇意にしていた教員仲間四人の贈賄工作を仲介した点について「四人に贈賄を勧めて決意させており、被告の仲介がなければ犯行は成立しなかった。四人を犯罪に巻き込んだ側面は否定できない」と非難した。
一方で「両被告は真摯(しんし)に反省し、共に懲戒免職になるなど相当の社会的制裁を受けた」とした上で「大分県の教員採用試験は、かねて口利きによる不正が行われていた。組織絡みの不正に対する社会的非難を事件関係者のみに向けるのも相当でない」と、執行猶予を付けた理由を述べた。
矢野被告夫婦の判決内容
矢野哲郎、かおる被告は2007年度採用試験で長女の採用に便宜を図ってもらうため、元教育審議監二宮政人元被告(62)=収賄罪で有罪=と、採用担当だった元義務教育課参事江藤勝由元被告(53)=同=に商品券100万円分ずつを贈った。
哲郎被告は08年度試験で、元小学校長浅利幾美元被告(53)=贈賄罪で有罪=が、長男と長女の採用の見返りに江藤元被告に現金など400万円分を贈る仲介をし、昨年4月の人事異動では、昇任の見返りに、元小学校教頭渡辺洋一(51)と広瀬忍(50)両元被告=同=ら3人が商品券計110万円分を江藤元被告に贈る橋渡しをした。さらに、自身の異動の謝礼に富松被告へ商品券20万円分を贈った。
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