
判決を聞く富松哲博被告
「被告人には刑事責任の重さを真摯(しんし)に受け止めていただきたい」―。現職の県教委ナンバー2に「有罪」が言い渡された。二十七日、大分地裁であった富松哲博被告(60)の判決公判。元部下から高額の商品券を受け取りながら「異動の謝礼ではない」と、強気の姿勢を貫いてきたが、裁判長から「自己保身に終始し、反省の態度はまったくうかがわれない」と指弾されると、じっと目を閉じてうつむいた。
保釈中の富松被告は午前十時すぎ、濃いグレーのスーツで出廷。ほぼ満員となった傍聴席を一瞬、見やってから被告人席に着いた。「被告人は前へ」。裁判長に促されると、「はあ」と小さく息を吐き、緊張した面持ちで証言台の前に立った。有罪を言い渡されると、軽く頭を下げた。
「二十万円は明らかに高額。お礼の趣旨は容易に認識できた」「供述は信用することができない」。裁判長は、富松被告側の主張をことごとく否定。富松被告は納得がいかないのか、一度だけ首をかしげた。閉廷後は報道陣のカメラを避けるように、小走りで車に乗り込んだ。
かつては国語教師として教壇に立ち、教え子からは「トミー」と呼ばれ親しまれた。二〇〇七年一月、義務教育担当の審議監に就任。昨年七月に商品券授受疑惑が発覚したが「今は言えない」と、何も語ることなく公の場から姿を消した。
「二十万円をもらったのは確かだが、わいろとは認識していない」。口を開いたのは、それから四カ月半後の初公判。その後の公判でも、徹底して無罪を主張してきた。しかし、検察側の追及に「(二十万円の授受は)倫理的にまずいと思った」と、不適切な授受だったことを初めて認める場面もあった。
県教委汚職事件の一連の公判では、教員採用などをめぐり、富松被告が部下に不正な点数操作を指示していたことが判明。しかし、絶大な人事権を握り口利きの窓口役とされたキーマンが法廷で実態を語ることはなく、不正のあおりで採用取り消しとなった元教諭には不満がくすぶる。事件の全容は依然、闇の中だ。
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