
判決後、車に乗り込む富松被告=27日午前10時56分
大分県教委汚職事件で部下の人事異動に絡み、商品券二十万円分を受け取ったとして収賄の罪に問われた県教委ナンバー2の教育審議監富松哲博被告(60)の判決公判が二十七日、大分地裁であり、宮本孝文裁判長は「社会が受けた衝撃は大きく、県の教育行政に対する信頼を著しく失墜させた」として、懲役十月、執行猶予三年、追徴金二十万円(求刑・懲役十月、追徴金二十万円)を言い渡した。県教委は富松被告を同日付で懲戒免職とした。
富松被告は「商品券は人事異動のあいさつ名目」とわいろ性を否認し、額の大きさは贈賄側の元義務教育課参事矢野哲郎被告(53)が初めて本庁で勤務することに対する「不安の大きさの表れ」と、一貫して無罪を主張していた。
判決理由で宮本裁判長は「商品券を入れたきり箱に『御礼 矢野』とのしが掛けられていた。矢野被告のスケジュール帳や矢野被告の妻の日記にも『富松審議監宅御礼』と記載されている」として商品券はわいろの趣旨だったと認定。
その上で「富松被告は実質的に参事を決める権限を持っていた。授受は異動内示の直後で、謝礼の趣旨を含むと考えるのが自然。あいさつの品として二十万円の商品券を贈るのは明らかに常識的でない。『御礼』と書いたのしに気付かなかったとは到底、考えられない」として富松被告もわいろ性を認識できたと判断した。
弁護側が「教育長の方針に従い、人選をした」と便宜供与がなかったとした点は「事実経過から見て、矢野被告が富松被告の尽力と認識し、謝礼を持ってきたと考えることは十分できた」と指摘した。
弁護人は「判決に不服があるので、控訴を予定している」とした。
判決によると、富松被告は昨年三月二十五日、大分市高崎の自宅で、矢野被告の異動に便宜を図った謝礼として商品券を受け取った。
矢野被告と、別の贈賄罪に問われた妻で元小学校教頭かおる被告(51)の判決言い渡しは同日午後、同地裁である。既に有罪が確定している五人と合わせて、起訴された八人全員の一審判決が出そろう。
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