
看護師らに見送られて大分大学病院を退院する石橋一夫さん(車いす)
昨年六月、大分を旅行中に急性心筋梗塞(こうそく)を発症して左の心臓の機能(全身に血液を送り出す働き)を失い、大分大学病院で体外式補助人工心臓を装着して奇跡的といえるまでに回復した患者が十九日朝、人工心臓を着けたまま退院。空路、東京大学病院に向かった。同病院で入院加療を続けながら体内埋め込み型人工心臓に植え替えるなど、次の治療を待つ。
患者は茨城県五霞町の石橋一夫さん(63)。由布市湯布院町内で意識を失い、大分大学病院に搬送された。急性心筋梗塞後重度心不全で、心臓血管外科の穴井博文准教授が体外式補助人工心臓を装着、術後一週間で全身状態が改善、重い敗血症の危機を乗り切り、補助具を使って歩行ができるまでになった。
石橋さんと家族が故郷の関東地区の病院に転院を希望。東大病院の受け入れが決まり、この日、穴井准教授ら医師二人、看護師一人、臨床工学士一人が付き添って補助を継続したまま、大分を出発した。
石橋さんは今の気持ちを「胸がいっぱいです。何も言葉が出ません」。穴井准教授は「補助人工心臓で九カ月の長期生存に成功し、しかも関東まで搬送が可能になったのは大分大学病院では初めてで、喜ばしいこと。大分でもこういう高度な医療ができることを知っていただければと思う」と語っている。
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