
おばさん役(三浦正博代表・右端)が、孝行娘「きせさん」(今村文夫さん・左端)を見習うよう、娘(安藤久子さん・中央)に説教する場面
大分市竹中の住民でつくる「竹中ほっと劇団」(三浦正博代表、十六人)が活動を開始して十周年を迎えた。「小規模集落を元気にしたい」と、住民有志が集まって旗揚げしたのは一九九九年。五十代から七十代までの団員が軽妙な演技で、市内外に笑いと元気を届けている。
大南公民館で開かれた大南地区高齢者学習振興大会では、江戸時代の物語「きせさん」を熱演した。孝行娘きせさんを演じたのは創立時からの団員、今村文夫さん(75)=農業=。しわを刻んだ顔に、おちょぼ口の化粧。幼なじみ役の安藤久子さん(52)=市葬斎場勤務=と絶妙な掛け合いで爆笑を誘った。
団員が少なく、一人二役、三役は当たり前。舞台への出番を待つ間は、音響係や道具類を動かす黒子を務める。佐藤和子さん(71)=主婦=は、役者としての出番が終わると、そのままの衣装で音響係に早変わり。場面の展開に合わせ、タイミングよく音楽を流す。
「過疎、高齢化が進む竹中でいかに元気よく、心豊かに暮らすかを模索するうち、演劇にたどり着いた」と今村さん。橋本一美さん(60)=自営業=は「一つの作品に打ち込む中で仲間意識が芽生え、元気がわいてくる」と目を輝かせる。公演回数は四十九回になる。
最近では、振り込め詐欺のような社会問題や、地元に残るキリシタン墓地など郷土史を題材にした創作劇も上演する。
創立当時、38・3%だった竹中地区の高齢化率は十年で45・6%に上昇した。三浦代表は「演劇を通じ、小規模集落・竹中の住民が持っているエネルギーを多くの人に届けたい」と意欲を燃やしている。
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