
大分地裁を出る富松被告=午後3時14分
県教委汚職事件で人事異動の見返りに元部下から商品券二十万円分を受け取ったとして、収賄の罪に問われた県教委ナンバー2の教育審議監、富松哲博被告(60)の論告求刑公判が五日、大分地裁(宮本孝文裁判長)であり、検察側は懲役十月、追徴金二十万円を求刑した。判決は、贈賄側の元義務教育課参事、矢野哲郎被告(53)=求刑・懲役二年六月=と同じ二十七日に言い渡される。
論告で検察側は「大分県の教育に大きな混乱を引き起こし、深刻な不信をもたらした。県教委上層部から汚職にまみれていたことが発覚した社会的影響は大きい。富松被告はこれ以外にも商品券を受け取っており、贈答に関し『来る者は拒まず』の体質があった。要職にあった者には相応の責任の取り方というものがあるはずだ」と述べ、職務権限や金額などから、わいろ性は認識できたと指摘した。
弁護側は「県教育長の方針に従い、通常の手続きに沿って矢野被告を参事に任用した。矢野被告自身も参事になることに消極的な態度だったため、富松被告に便宜を図った認識は全くなかった」とし、便宜を図っていない富松被告がわいろ性を認識することはなかったと主張。「県教委には異動時期に上司に商品券を贈る慣行があり、わいろではないと考えたのは自然」とし無罪を主張した。
濃いグレーのスーツ姿で入廷した富松被告は両手をひざに置き、検察側と弁護側の意見にじっと耳を傾けた。最終陳述で裁判長からの「最後に言っておきたいことは」との問い掛けに「特にございません」とはっきりした口調で述べた。
論告によると、富松被告は昨年三月二十五日、大分市高崎の自宅で、矢野被告の異動に便宜を図った謝礼として商品券を受け取ったとしている。
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