
大分地裁で訴状を提出する秦聖一郎さんの弁護団(右)
県教委の教員採用試験の不正に絡み、採用取り消し処分を受けた大分市内の臨時講師、秦聖一郎さん(23)が三日、県を相手取り、処分の取り消しや慰謝料の支払いを求める訴訟を大分地裁に起こした。不正採用に絡む行政訴訟は、県内の臨時講師男性(31)に続き、二件目。
訴えによると、秦さんは大分大学を卒業し、昨年四月、教諭に採用されたが、九月に「試験の点数データを不正に改ざんされて合格していた」として、採用を取り消された。
秦さんは「親族を含め自分は不正を頼んでいない」とした上で「処分の根拠となった試験のパソコンデータは正確か疑問。不正に至った理由も分かっていない」として、不正そのものの存在が明らかでないと主張。さらに、長年、不正が行われていた可能性が高いにもかかわらず、二〇〇八年度合格者だけを処分したことは「平等原則に反する」と違法性を訴えている。
また「全く身に覚えのないことで、夢にまで見た教諭の職を取り上げられた」として、慰謝料百万円の支払いを請求。判決が確定するまで、処分の効力を停止するよう申し立てた。
県内外の有志でつくる「教員採用不正の真相を追究し秦聖一郎さんを支援する会」と弁護団が大分地裁に訴状を提出。弁護団の瀬戸久夫弁護士は「県教委は自身の不正体質をトカゲのしっぽ切りで終わらせようとしている。訴訟では、関係書類や関係者の証言によって、不正の全体構造を明らかにしたい」とした。
秦さんは一日に大分市内で開かれた「支援する会」の設立総会で「不正問題をこのまま終わらせることはできない。不正の実態を解明し、大分県の教育再生につなげたい」と語った。
小矢文則県教育長は「採用試験において、改ざんという不正行為が確認できたので、断腸の思いだが、採用を取り消さざるを得なかった。採用を取り消した二十一人には直接、職員が会って説明してきただけに、残念だ」とコメントした。
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