
県を相手取った提訴に向けて決意を述べる秦聖一郎さん=1日、大分市のアートプラザ
県教委の教員採用試験の不正に絡み、採用取り消し処分を受けた大分市内の臨時講師、秦聖一郎さん(23)が県を相手取り、処分の取り消しを求める行政訴訟を三日にも大分地裁に起こす。これを受けて一日、「教員採用不正の真相を追究し秦聖一郎さんを支援する会」が発足、秦さんが「訴訟を通して不正の実態を解明し、大分県の教育再生につなげたい」と決意を語った。
秦さんは大分大学を卒業し、昨年四月、教諭に採用されたが、九月、「試験の点数データを不正に改ざんされ、合格していた」として採用を取り消された。「自分は不正を頼んでいない」と主張している。
行政訴訟では取り消し処分の違法性を訴え、慰謝料などの国家賠償を求める。弁護団の一人の宇都宮妙弁護士は「刑事裁判では難しかった組織的不正を解明したい。不正と認定したデータの精度や、データが改ざんされた理由を明らかにし、全く処分されなかった前年度の合格者との不平等さを訴える。十分に説明せず処分した手続きの不適切さも追及する」とした。
大分市アートプラザであった「支援する会」の設立総会には約四十人が出席。おおいた市民オンブズマンが、二〇〇九年度採用試験を受ける機会を奪われた採用取り消し者に再試験の機会を与えるよう求めたことに対し、県教委が「個別の問題には答えない」と回答したことが明らかにされた。
秦さんは「県教委の対応は誠意がなく、怒りを覚える。内部には甘い処分しかせず、十分な説明責任も果たしていない。この問題をこのまま終わらせることはできない。世論が盛り上がることを願う」と話した。
【教員不正採用問題】 県教委汚職事件の捜査で、口利きやわいろの授受による不正採用が判明。県教委は捜査資料に基づく調査によって、2008年度採用者のうち21人が不正採用だったと認定。6人の採用を取り消し、15人が辞職した。このあおりで不合格となった22人を救済した。一方、07年度は「08年度に比べ、データの精度が低い」として“不正合格者”は処分していない。不当に不合格になった可能性がある22人は特別試験で合格とした。秦さんと同じく合格取り消し処分となった県内の臨時講師男性(31)が2月26日、処分の取り消しを求め、既に大分地裁に行政訴訟を起こしている。
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