
左手がまひしているという設定でパジャマの脱ぎ着を体験=県社会福祉介護研修センター
県社会福祉介護研修センター(大分市)で、介護技術を学ぶ男性が増えている。介護現場では高齢の夫(妻)が高齢の妻(夫)を介護する「老―老介護」や、互いに認知症状のある高齢者夫婦世帯の「認―認介護」といった言葉が飛び交うほど、高齢者だけの世帯は多い。男女を問わず、介護は身近な問題になっているようだ。
今月十九日に同センターであった介護予防教室では、受講者の三分の二が男性だった。左手左足が不自由という設定で、パジャマのズボンをはく。左足の足先にすそを通し、寝転がって腰まで引き上げる。まさにパジャマとの“格闘”だ。
「こんなに大変とは思わんかったよ」と倉原信男さん(66)=別府市=。片手だけで上着を脱ぐのに四苦八苦しながら、「ふー」と思わずため息をつく。
母親の介護や自分の健康を考え、教室に参加した。アイマスクをして体に重りを着けて歩く「高齢者疑似体験」、まひがあるときの衣服の着脱などを学び、「健康でいよう」とあらためて決意したという。
母親を介護するため一年半前に早期退職した福井徳二さん(60)=大分市=は「基本を身に付ければ、もっとスムーズな介護ができることを実感した。福祉の仕事にも関心を持った」と話す。
同センターは年間六回、介護予防教室の基礎編、応用編を開いている。二〇〇六年度から男性の受講が目立ち始め、介護職に就いた人だけでなく、「退職後の地域活動に役立てば」と受講する人や、夫婦で参加するケースもあるという。
個人やグループの希望に応じて開く介護入門教室や男性介護教室なども随時開催する計画で、担当者は「介護を学ぶことは、将来の介護への不安を減らすことにもなる。相談してほしい」と話している。
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