戦後最悪ともいわれる不況下、今後着実な成長を期待されるのが太陽電池産業。近年好調な企業立地が続いた大分県だが、太陽電池関連に限っては実績ゼロ。企業誘致の“アキレスけん”となっている。自然エネルギー利用で全国有数の「エコ県」との調査結果もある大分県だが、「環境の時代」に適合した成長産業の創出・育成が課題だ。
九州の太陽電池工場の分布を見ると、三菱重工業(長崎県)や昭和シェルソーラー(宮崎県)など大手メーカーがそれぞれ百億円を超す規模で投資している。それに伴い素材や製造装置の工場も集積が進んだ。しかし、大分県では装置製造の一工場が稼働するのみ。
世界的な景気後退が続く中、米国や日本はグリーン(緑の)ニューディール政策を掲げた。日本は太陽光発電の導入を、二〇二〇年には現状の十倍、三〇年には四十倍まで拡大する方針を打ち出した。
九州では〇七年、九州地域太陽光発電関係団体連絡会が発足。熊本、長崎、宮崎各県や北九州市でも、太陽電池などの地域産業育成に向けた研究活動が既に始動している。大分県内では新年度からようやく、産学官の県新エネルギー産業化研究会が太陽電池の研究部会を設置する見通し。
大分県は水力や地熱など、豊かな自然を生かした再生可能エネルギーの利用が特に盛んな地域。それだけに燃料電池を含めた新エネルギー分野に関心を示す県内企業からは「エコ県としてのイメージを前面に出して積極的に行動を起こすべきだ」との声もある。
広瀬勝貞知事は「大分県は農業への企業参入に加えて、医療分野でも集積が厚みを増しつつある。新エネルギーの分野が弱点とならないよう前向きに取り組まねばならない。誘致活動のウイングを広げて、積極的に取り組む」としている。
<ポイント>
エネルギー利用調査 千葉大学などが実施した「エネルギー永続地帯」試算(06年調査)によると、県内の再生可能エネルギーは産業向けを除いた民生需要の30・84%を賄うことができ、全国1位。だが、最も貢献している水力(約33万7000キロワット)と地熱(約15万2000キロワット)に比べて、太陽光は約3万キロワットにとどまる(08年3月現在)。
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