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問われる企業誘致 高額な随意契約が元凶か

[2009年02月17日 10:08]

コンサルタント会社「大光」事務所の入り口付近=大分市丹生

 キヤノン関連施設をめぐる脱税事件で、大分市のコンサルタント会社「大光」社長の大賀規久容疑者(65)が逮捕されて、十七日で一週間。架空経費を還流させる手口を使い、裏金を含む多額の仲介料の所得を隠していたとみられる。舞台の一つ、大分市のキヤノン施設では、県土地開発公社が鹿島と高額な随意契約を結んだことが、あらためて問題視されている。

 東京地検特捜部は大賀容疑者のほか、公社の理事を務めていた元県議会議長、長田助勝容疑者(80)ら十一人を法人税法違反容疑で逮捕。巨大プロジェクトを隠れみのに、鹿島などが下請け発注の段階で裏金を捻出(ねんしゅつ)していたとみられる。大賀容疑者は容疑を否認しているという。
 クローズアップされたのが大賀容疑者の多彩な人脈。日本経団連会長の御手洗冨士夫キヤノン会長とは佐伯市の同郷。度々、一緒にゴルフなどをし、周囲は「御手洗会長の私設秘書」と形容する。こちらもまた同郷の長田容疑者には、大分キヤノン進出が決まった二〇〇三年と〇四年に計三百万円を献金。大光グループ会社には警察官僚や国税OBらが名を連ねた。
 これらの人脈で大賀容疑者はフィクサーとして台頭。キヤノン工事への参入希望業者は“大光参り”にいそしみ、多額の仲介手数料が発生していたという。
 大分市の大分キヤノンと大分キヤノンマテリアルの工事では、公社が鹿島と約八十億円で随意契約。予定価格の97%以上という高額受注で、おおいた市民オンブズマンは「過剰な利益が裏金を生んだ」と指摘。鹿島を選定するようキヤノンが公社に要請した文書が存在しており、契約に至った経緯を明らかにするよう情報公開を求めている。
 公社が工場近くの県有地を相場の半値で大光に売却した点や公社の専務理事の親族企業が工事の下請けに参入していた問題も噴出。公社は「規定に抵触するものではない」とするが、関係者からは「不適切だ」との声も上がる。
 自治体間の激しい企業誘致競争に打ち勝つため「誘致企業の要望には逆らえない」(元県職員)という風潮がある。企業優遇のあまり誘致費用のチェックは甘くなりがち。税金が裏金となって事件を引き起こした可能性もあり、企業誘致の在り方に一石を投じそうだ。

土地開発公社に情報公開求める市民オンブズマン
 キヤノン関連施設工事をめぐる脱税事件を受け、おおいた市民オンブズマンは十六日、用地造成工事を発注した県土地開発公社に対し、鹿島と随意契約することを決めた公社の指名委員会の内容などを公開するよう求めた。
 指名委員会の議事録や開催日、出席者が分かる文書などの公開を要求した。工事では、キヤノンが鹿島を施工業者に選ぶよう公社に要請した文書が存在するが、「文書の原案を公社が提示していた疑いがある」(オンブズマン)として、文書を作るまでの経緯が分かる資料の公開も求めた。
 公社はこれまで指名委員会の議事録などは存在しないとしてきたが「十五日以内に回答する」とした。
 オンブズマンは大分キヤノンマテリアルの工事について、県が予定価格(五十億円)を上回った十八億円分の補助金を出したのは「裁量権を逸脱しており、違法」と主張し、県に補助金の返還を求める訴訟を起こしている。
 永井敬三理事長は「随意契約によって工事費が必要以上に高くなり、補助額も高くなったと考えられる」と指摘。「これだけ大規模な工事を随意契約したのは不自然。どういう力が働いたのか、県民に説明するべきだ」とした。

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