県が誘致したキヤノン関連施設工事が舞台の一つになった大分市のコンサルタント会社「大光」社長による脱税事件。景気の急激な悪化で、ただでさえ誘致件数が減る中、事件は大分のマイナスイメージにつながるだけに、県関係者は「自治体間の誘致競争は激しく、事件でさらに落ち込むのが心配」とつぶやく。“勝ち組”だった大分県の企業誘致に、事件が暗い影を落としている。
雇用確保など大きな経済効果が見込まれる企業誘致は、全国の自治体同士が激しくしのぎを削る。しかし、大分県は景気の後退に加え、有効求人倍率が九州他県より高かったことから、企業立地に急ブレーキがかかった。二〇〇六年度二十九件、〇七年度二十七件だった誘致件数は、〇八年度は現在十三件と半減。特に投資額が百億円規模の大型誘致が影を潜めた。
このため県は新年度に向けて誘致戦略の見直しに着手。設備投資が八十億円を超える場合に支出する大規模投資促進補助金(十億円)の増額などを検討中だ。厳しい環境の中で誘致を実現するため「手厚い待遇を打ち出すライバル県と同じ土俵で戦える額にしてほしい」と、誘致担当者からは切実な声も聞かれる。
今回の事件は県土地開発公社が鹿島と工場用地の造成工事を随意契約。税金が裏金になったのでは、との指摘もあり、補助金増額に批判的な声が上がる恐れもある。県幹部の一人は「事件によって企業誘致にさらに悪い影響が出なければいいのだが…」と話した。
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