大分県教委汚職事件で、人事異動で便宜を図った見返りに商品券二十万円分を受け取ったとして収賄罪に問われた県教委ナンバー2の教育審議監、富松哲博被告(60)が、贈賄側の元義務教育課参事、矢野哲郎被告(53)が昨年六月に別件で逮捕された後、「矢野からの金券対応について」「自分自身の立件について」などと題し、商品券の授受が発覚した場合にどう対応すべきかを検討するメモを作っていたことが六日、大分地裁で開かれた公判で明らかになった。(25面に関連記事)
メモは自筆で数枚の付箋(ふせん)に書かれ、県警が家宅捜索で押収、検察側の被告人質問で示された。富松被告は「矢野被告が逮捕された後の昨年六月下旬ごろ、知人と対応を相談した時に作成した」と説明。
メモには当初、商品券について「異動後の謝礼」と記していたが、謝礼の部分を横線で消して「あいさつ」に書き換えていた。「向こう(矢野被告)から参事にしてくれと言われたわけでも、事前に金品をもらったわけでもない。知人と相談して、謝礼ではないと判断し、その場で消した」と釈明した。
さらに、授受について「認める」場合と「認めない」場合に分け、どう説明するべきか対応を検討していた。
別のファイルには二〇一三年度までの人事構想に関するメモがあり、〇九年度は不正な教員採用の実行役だった江藤勝由元被告(53)=収賄罪で有罪=の後任に矢野被告を据える予定を記していた。富松被告は「ただ、書いてみただけ。空想みたいなもの」と述べ、具体性のない構想だったとした。
多額の借金を抱えていることについて額や使途、借入先などを検察側が尋ねたが「具体的には申し上げられません」と繰り返した。
起訴状によると、富松被告は昨年三月二十五日、大分市高崎の自宅で、矢野被告の異動に便宜を図った謝礼として商品券を受け取った―とされる。
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