
別府市から借地要望を断られた市営温泉プール跡地(中央下)。右手の道路は流川通り=2008年11月30日、別府ワンダーラクテンチから撮影
「市と相談しながら話を進めてきたから、当然貸してもらえるものと思っていたのに…」。別府市営温泉プール跡地(原町)の借地を市に断られ、新商工会館の建設計画を進めていた別府商工会議所内に戸惑いと不信感が広がっている。創立八十周年の目玉事業は“振り出し”に戻り、目標としていた十月完成はほぼ不可能となった。
内紛続きがアダ?
「中心市街地の回遊性確保と交通渋滞緩和のため、商工会館がある場所はキーポイント。移転を前向きに検討してもらいたい」。市が誘致した「ゆめタウン別府」オープン十一カ月前の二〇〇七年一月。同店を経営するイズミ(広島市)の山西泰明社長とともに旧商工会館(楠町)を訪れた浜田博市長は、こう言って商議所役員に頭を下げた。
ベテランの商議所議員は当時を振り返り、「市長の要請もあったから移転した。今度は市が譲歩する番だ」と憤る。市側は「要請したのはあくまでイズミ。市は仲介しただけ」と反論。借地要望を断った理由について、浜田市長は「将来の市民ニーズに対応するため、現状のまま取っておきたい」と説明するが、今のところ具体的な計画はない。
市有地の賃貸には市議会の議決などが必要。内部事情に詳しい市民の一人は「“内紛”が続く商議所をよく思っていない市議もいる。市は議会を説得するのが難しいと判断したのではないか」とみる。
市民を二分し、出直し市長選にまで発展したイズミ誘致問題の“後遺症”とみる関係者も少なくない。「誘致に反対だった商議所と市の関係はぎくしゃくしたまま。貸してくれるわけがないと思っていた」
市有地でなくても
“仮住まい”中の商議所は市有地にこだわらず、広く用地を探す方針を決めた。毎月約百万円の家賃が必要なため、「早く自前の会館を」と望む声は多い。訪問者は受け付けが必要で、会員から「敷居が高くなった」との苦情もある。
「市は商工業者という市民のニーズになぜ応えてくれないのか」と商業を営む古参会員。商議所の西謙二移転・建設検討委員長は「商工業が盛り返すためにも、中小零細企業者が気軽に集える“殿堂”を早く完成させたい」と話している。
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