
野上健次さん(右端)のハウスで栽培されている「夢ほたる」。後継者の長男晃志さんと妻菊美さんも手伝う=大分市片島
大分市内の花卉(かき)農家が、野に咲く名の知れぬ花を”磨き”育て、人気商品にまで高めた。かれんな淡黄色の花で、その名は「夢ほたる」。今年初めて東京、大阪の市場に本格出荷し、評価も上々。大分発の”新銘柄”に、県や市場関係者は「県産ブランドづくりの上でヒントになる」と展開に注目している。
夢ほたるを育成したのは同市津守の野上健次さん(61)。四年ほど前、たまたま近くの山で見掛けて、その魅力にひかれた。丈が十五センチ程度で、茎が地をはうように生育していたという。
「何とか商品化したい」との一念から、ハウスでの栽培に挑戦。砂の成分が多い独特の土作りや、縦に育つ栽培方法を考案した。流通しやすい規格に合わせるため、茎の長さを七十―八十センチまで細く長くする改良にも成功、足かけ五年の歳月をかけて育成した。
昨年一月、試作品三千本を試験販売したところ、「見たことがないユニークさ。もっと出荷してほしい」と強い要望があった。“名無し”だったため、妻の菊美さん(55)が「控えめながら、印象深い光を発するホタルのよう」なことから命名。昨年五月、商標登録を受けた。
「もともと、どこかの山陰とか原野に行けば、割に目にすることができる小さくてかわいらしい花。いわゆる雑草で、名前は誰に聞いても分からなかった。マメ科の植物ではないか」と野上さんは話す。
相談を受けた県は今後、本来の品種などについて調べる一方、「野上さんの栽培技術や販売手法をブランドづくりの参考にしたい」と話している。
本来は六月から七月に咲くという。季節外れの一月下旬から毎週八百―千本を東京、大阪に送っている。四月半ばまで。
野上さんはこれまでも、黒いヒマワリや、花びらが落ちた趣の良さに着眼したキャンディタフトの別銘柄などを開発。独自ブランドとして高値販売に成功している。
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