大分県と県教委は、今後の農業教育の在り方を考える定期協議を始めた。後期高校再編(二〇一〇―一五年度)が完了すると、三重総合・久住校を除いて農業科単独の高校がなくなる。一三年度に大分東に設置する農業系学科の在り方や、高校と県立農業大学校との連携推進を中心に論議を深めながら、中長期的視点で担い手確保策を探る。
協議は月一回を目安に開催。必要に応じて農業担当教員や生産者代表、農業団体関係者らを招き、意見を交換する。
前期高校再編前の〇四年、当時の公立中学校一、二年生と保護者を対象に高校進学を前提とした志望学科を調べたところ、農業系学科の志望者は全体の0・5%で、ほかの実業系学科(工業系8・4%、商業系4・1%など)と比べて極端に低かった。
県教委は結果を「農業関係の職場に就業する卒業生も少なく、学科を維持するための環境はかなり厳しい」と分析。高校再編に当たり、農業科単独の高校を残さず、各地域に農業系学科を配置する道を選んだ。
しかし、農業団体などは「九州内の他県では農業系高校が存続している。地域農業のリーダーを育てる中心的役割を担う学校がなくなる」(JA大分中央会)として、県教委の方針に異議を唱えてきた。
県教委は「食の安全が問題になり、農業教育はさらに重要となっている。志願者が少なくても機会は減らさない」と、県内のどこに住んでいても農業教育が受けられる環境を整備する意義を強調。地域農業のリーダー育成に向けて農業系の大学や県立農業大学校への進学を促すとともに、食料生産や環境問題に関心のある非農家出身の生徒にも農業に興味を持ってもらい、担い手を増やす―との構想を描いている。
県は深刻な後継者不足の現状を踏まえて「高校に入る前から農業の大切さを教えていくべきだ」と考えており、中学段階での農業教育の導入についても協議の中で主張していく。
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