
75歳以上の高齢者に送付された「公的年金等の源泉徴収票」の見本。昨年3月まで国民健康保険制度だったため、その分の金額は記載されていない。確定申告をする際に正確な社会保険料控除を受けるには、国保分の納付証明書なども準備が必要になる
今月十六日から始まる確定申告の際、七十五歳以上の高齢者を中心に、控除される社会保険料が過小に評価される恐れがあり、大分税務署などは注意を呼び掛けている。昨年四月にスタートした後期高齢者医療制度と、それまでの国民健康保険制度で、保険料を徴収する窓口が変わり、両方の納付証明が必要になるためで、同税務署は「申告の際は各保険の納付証明書をきちんとそろえてほしい」としている。
後期高齢者医療制度の対象となる七十五歳以上の高齢者は昨年三月まで、各市町村が運営する国民健康保険の被保険者として保険料を収めていたが、翌四月からは、運営が県後期高齢者医療広域連合に代わり、年金から天引きされるようになった。
保険料の支払いは年金から天引きされた特別徴収と、口座振り込みなどで納めた普通徴収があり、昨年は制度移行に伴って、七十五歳以上の高齢者は二つの徴収方法が混在している。
広域連合の計算を基に社会保険庁は、確定申告時に社会保険料納付を証明する「公的年金等の源泉徴収票」を対象者に送付しているが、金額は後期高齢者医療制度の年金天引き分のみで、三月まで市町村に納めた保険料などは含まれていない。普通徴収分の納付証明書も用意しなければ、正確な社会保険料の控除が受けられないのが現状だ。
普通徴収分納付証明書の発行は自治体が行うことになるが、対応はさまざま。口座振替分の証明書を郵送している自治体もあるが、窓口で請求した人のみに発行するという自治体もあった。
さらに、後期高齢者医療制度の特例措置で、徴収を半年免除されていた国民健康保険時の被扶養者(配偶者ら)は、十月以降に普通徴収扱いになっている人が多いとみられ、その場合も納付証明書が別に必要になる。
大分市内の男性(80)は、「制度がややこしくて分かりにくい。このままでは、郵送で届いた源泉徴収票だけを控除額と勘違いする高齢者が多くなり、税金を払い過ぎることになる」と不安そうに話した。
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