
九州芸術祭文学賞で最優秀作に選ばれた近藤勲公さん=29日午後・JA本店
第三十九回九州芸術祭文学賞に、近藤勲公(のりひろ)さん(50)=津久見市、県農協職員=の「黒い顔」が選ばれた(最優秀作)。県内からは第四回(一九七三年度)で故小郷穆子さん(別府市)が「遠い日の墓標」で受賞して以来、三十五年ぶり、二人目となった。
今回は、九州・沖縄八県と福岡、北九州両市の十地区から計二百九十三編(うち県内から二十五編)の応募があった。昨年十一月に各地区優秀作九編(北九州市は該当作なし)を選出。秋山駿(文芸評論家)、五木寛之(作家)、村田喜代子(同)、舩山幹雄(「文学界」編集長)の各氏が選考委員となり二十八日、東京で最終審査を行った。
近藤さんは今回を含めて、これまで地区優秀作に四回、地区次席に八回選ばれている。受賞作「黒い顔」は「高齢化、過疎化の問題を独特な土俗的な視点で描いて、説得力がある」と、高く評価された。「文学界」(文芸春秋)四月号に掲載される。
近藤さんは「県代表(大分地区優秀作)になった上、権威ある最高賞を受賞できた。十六年前から応募し続け、いつかは、と思っていたのが実現してホッとした。妻や娘も喜んでくれ、これまで支えてくれた人たちに恩返しできた」とうれしそう。昨年は「老木」で第五十六回地上文学賞を受賞しており、「五十歳を機に毎日執筆するように心掛けたのが功を奏したのかな」と、はにかみながら喜びを語っていた。
表彰式は三月十二日、福岡市の西日本新聞会館・福岡国際ホールで。
九州芸術祭文学賞 1970年から九州文化協会が各県と共催。小説で優れた作品、埋もれた人材を発掘・育成し、九州・沖縄の文学活動を盛り上げるのが目的で毎年、約300作品が集まる。最優秀作品は各県の地区優秀作の中から選ぶ。受賞者の中からは大道珠貴ら芥川賞作家も4人出ており、新人の登竜門として知られている。
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