
論告求刑公判を終え、大分地裁から出る矢野哲郎被告(左)とかおる被告=26日午後5時14分
大分県教委汚職事件で、贈賄の罪に問われた元県教委義務教育課参事矢野哲郎(53)と、妻で元小学校教頭かおる(51)両被告夫婦の論告求刑公判が二十六日、大分地裁(宮本孝文裁判長)であり、検察側は哲郎被告に懲役二年六月、かおる被告に同一年を求刑した。判決言い渡しは三月二十七日。
検察側は両被告が長女(23)=昨年七月に辞職=の教員採用に際してわいろを贈ったことに対し「教員採用は公正だという社会の信頼を大きく損なわせた。わいろ供与で長女は有利な取り計らいを受け、公務の公正を著しく害した。不正が横行していると思っていたことが犯行動機とするが、贈賄行為を正当化できるものではない」と指摘。ほかに三件の贈賄罪に問われている哲郎被告については「わいろ総額は七百三十万円相当。多数の教育関係者を巻き込み、教育界に大混乱を引き起こした」と述べた。
弁護側は「コネなどがないと合格できないという危機感が動機。県教委の不正システムが常態化していた影響が大きい。懲戒免職となり長女も辞職。社会的制裁を受けている」と、執行猶予付きの判決を求めた。
論告によると、矢野被告夫婦は二〇〇七年度採用試験で長女の採用に便宜を図ってもらうため、元教育審議監二宮政人元被告(62)=収賄罪で有罪=と、採用担当だった元同課参事江藤勝由元被告(53)=同=に商品券百万円分ずつを贈った。
哲郎被告は〇八年度試験で、元小学校長浅利幾美元被告(53)=贈賄罪で有罪=が、長男と長女の採用の見返りに江藤元被告に現金など四百万円分を贈る仲介をし、昨年四月の人事異動では、昇任の見返りに、元小学校教頭渡辺洋一(50)と広瀬忍(50)両元被告=同=らが商品券計百十万円分を江藤元被告に贈る橋渡しをした。さらに、自身の異動の謝礼に教育審議監富松哲博被告(60)=収賄罪で公判中=に商品券二十万円分を贈った―とされる。
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