
死傷者数と同じ26人が乗った状態や、端から端まで30人以上が乗った状況などを想定し、落下したタラップに実際に乗って事故を検証する捜査員ら=24日午後、南日本造船大在工場
大分市青崎の南日本造船大在工場で、建造中の船に架けたタラップが落下して二人が死亡、二十四人が重軽傷を負った事故で、厚生労働省や大分労働局は二十四日、タラップを船体に架けるために取り付けていたフック部分のボルトが、重さに耐えられずに折れたことが落下の原因とほぼ断定した。県警も同様の見方を示しており、業務上過失致死傷容疑で捜査。大分労働局は労働安全衛生法違反での立件を視野に入れ、事故当時、何人がタラップに乗っていたかなどを詳しく調べる。
@厚生労働省と大分労働局、県警などは同日、合同で実況見分を実施。フックとタラップをつないでいたボルト四本はすべて折れており、三本分・六片を回収。フックとともに県警が持ち帰り、科学捜査研究所で強度などの詳しい鑑定を進める。
労働安全衛生総合研究所の所員が、回収したボルトの断面を調べた結果、固定した金属に大きな力がかかって折れたときに生じる「せん断破壊」が見られた。劣化した状況もないことから、タラップに同時に多くの人が乗って渡ったためにボルトに過大な荷重が掛かり、強度不足で折れたとほぼ断定した。
ボルト自体に問題がなかったか調べるため、素材検査もする。
フックを架けていた船体の作業用出入り口の下方約一・二メートルの場所に、垂直に付いた傷が数カ所あった。ほかに目立った傷はなく、タラップは、ほぼ垂直に落下したとみられる。タラップを架けた状態のこう配については「安全性に問題のある角度ではなかった」としている。
実況見分は二十四日で終了し、今後は工場関係者や被災者などから聞き取りをする。
二十四日に行われた厚生労働省や県警などの実況見分で、落下したタラップの重さを量った結果、タラップ部分が約六トン、フック部分が約百キロだったことが分かった。事故後の会見で、南日本造船は約三トンと説明しており、正確な重さを把握していなかった。
大分労働局などの調べでは、落下したタラップは昨年八月に製作し、斜めに架けても使えるようにと、今年一月にフック部分を取り付けたという。現場で使用するのは初めてだった。
同社は「三トンというのは、以前に発注した際の設計図を基に計算されたもので、正確な数字は把握していない」と説明。「六トン」に基づいた荷重計算や制限人数のテストも行わないまま、フックを取り付けて使用していたことになる。
同局は「タラップを斜めに使うことや改造してフックを取り付けることに問題はない。だが、使用する前に耐えられる荷重や人数など安全性を調べなくてはならない」としている。
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