
傾斜30度に張った綱を足の親指と人さし指で挟んで上る
約三〇度の傾斜をつけ、ピンと張った一本の麻の綱の上を、一歩、また一歩と進む。地下足袋をはき、直径わずか三㌢の綱を足の親指と人さし指で挟み、頭上に掲げた和傘でバランスを取る。十数㍍の坂を上り切ると、綱の上であおむけに大の字になり、一気に滑り下りる。見事なロープワークだ。
一九〇二年の木下大サーカス創立時に編み出された“和”のムードを醸し出す曲芸「坂綱」。八〇年には、東大寺(奈良県)の修繕工事完成に伴う落慶法要で、多くの僧侶や参列者の前で奉納した。
しかし、その後、難度の高さから後継者が育たず、二十年間ほど途絶えてしまった。「伝統の芸をなくしてはならない」との思いで演技者を育成。創立百周年を迎えた二〇〇二年に復活させた。
団員の中でこの曲芸ができるのは二人だけ。服部健太(29)は、その一人。「自分を最も表現できる演目。坂綱をやらせてもらえるのが何よりもうれしいし、お客さんに驚いてもらうことが好きなんです」と話す。
かたずをのんで見守る観客。この曲芸の間だけは、時間がゆっくり流れているように感じる。
=終わり=
大分公演は2月15日から4月14日まで、大分市の大分スポーツ公園H駐車場特設会場で開催。入場料(自由席)は前売り大人2500円(当日2700円)、3歳―中学生1500円(同1700円)。障害者は当日料金の半額(障害者手帳などを提示)。別途料金で指定席もある。問い合わせは木下大サーカス大分公演事務局(2月10日まではTEL097・533・0045、同11日からはTEL097・551・0045)、大分合同新聞社事業部(TEL097・538・9647)。
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