大分県は二〇〇九年度末に過疎地域自立促進特別措置法が失効した後、引き続き過疎地域を財政面で支援するため、新法の制定を求める取り組みに力を入れる。これまでの過疎対策はインフラ整備などで効果があったが、「医師不足や情報基盤の格差など新たな課題が増え、ソフト面の助成の充実も必要」と考えており、都市部の住民にも理解を広げながら国への働き掛けを強める。
県内は市町村合併の特例となる「みなし過疎地域」を含めて十六市町村に特措法が適用され、割合では島根県に次いで全国第二位の“過疎県”になっている。
過疎地域には、施設整備に対する国庫補助率のかさ上げや、道路などインフラ整備に有利な地方債(過疎対策事業債)を使えるなどの支援がある。県と市町村が投じた過疎対策の事業費は〇七年度までに約三兆四千億円に上る。
過疎地域は▽市町村道の改良率は54・0%(〇四年)で、十四年間で約8ポイント上昇▽水田基盤整備率は77・1%(〇八年)で十八年間で約20ポイント上昇―など道路や産業基盤の整備は進んだ。
新法制定を求める声が地方から強まる一方、「過疎地のインフラ整備はある程度進んだ」「人口減少は都市部でも起きている」といった声もあり、新法の内容は不透明になっているという。
県と各市町村は昨年、担当者でつくる過疎対策研究会を設置。これまでの過疎対策と県内の現状を検証した。報告書では▽人口減少に歯止めがかからない▽路線バス廃止など交通基盤に格差が出ている▽小規模集落を支える担い手が減少―などの課題を指摘。過疎地域が担う食料供給や国土保全などの多面的機能を挙げ、今後も支援を続けるよう求めていく方針を打ち出している。
県は二月から国、国会議員への要請活動を始める。県市町村振興課は「新法をつくる場合の骨格が分かる夏までが重要。市町村や他県とも連携して声を上げていく」としている。
※過疎地域の要件とみなし規定
人口減少(1995年までの減少率が30%以上など)、財政力(98年までの3年間平均の財政力指数0・42以下)の要件を満たせば過疎地域市町村となる。「平成の大合併」に伴い、特例の要件に該当する合併新市(県内では佐伯市など)や、合併前に過疎地域だった旧市町村の地域(大分市の旧佐賀関、野津原町地域など)は「みなし過疎地域」となる。
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