年末、県内の中小企業が資金繰りに追われている。大手メーカーの減産や消費減退でモノが売れないなど、手元の現金が不足しているためだ。不況の底が見えず、不安に駆られる経営者。国の緊急保証制度などを利用して越年資金を何とか確保している。
「取りあえずは年を越せる。だが、正月以降はどうなるのか」。ほおを切るような風が吹く中、大分市内の板金塗装業者(49)は話した。緊急保証で百八十万円の融資を受けたが、毎月の決済と従業員の賞与を払うと何も残らないという。
自動車ディーラーから、直接車の修理を請け負っている。昨年から二回に分けて塗料の価格が計10%上昇した。従来は月百六十台程度あった入庫も十二月は百四十台と減少した。「不安は山ほどあって、うつ状態になることもある」と胸中を明かした。
国が十月末に創設した「原材料価格高騰対応等緊急保証制度」。資金繰りのため保証承諾を受けた県内中小企業は千件を突破。承諾額は約百六十億円(二十五日時点)に達し、厳しい中小企業の経営を裏付ける。保証事務をする県信用保証協会には、申し込みが殺到した。
「十二月の売り上げは過去最悪。手持ち資金が少なくなり、先行きに不安を覚えた」と、大分市内の印刷会社。緊急保証を取引先金融機関に申し込んだが、「結局、これまでと融資枠は変わらなかった」。別の金融機関の融資が受けられ、「ひと息ついた」。
年は越せても、その後はどうなるのか。中小企業からは政府に対し、金融支援以外のさらなる後押しを求める声が上がっている。
従業員約七十人を抱える老舗のサービス業者は、年末賞与と越年資金に緊急保証で約二千五百万円を借り入れた。
経営者(61)は「全く先が見えない。事業多角化や経費削減に取り組んでいるが限界。国に景気回復に向けたさらなる対策を打ってもらいたい」と望んでいる。
○業種問わず 申し込み急増
県信用保証協会によると、約千件の緊急保証のうち、業種別内訳は建設業が三百六十社(承諾額は約五十四億円)と最も多い。以下(2)小売業百七十七社(約二十五億円)(3)卸売業百六件(約二十億円)(4)飲食業五十四件(約五億円)などで、業種を問わず経営が厳しいことをうかがわせる。緊急保証の申し込みは今月半ばから一気に伸びた。急増の背景として「先行き不透明感が高まる中、安心して年を越したいという経営者心理の表れ」と小野真一業務部長は言う。
新規融資のほか、複数の金融機関にまたがる協会の保証付き借り入れの一本化も申し込みが多い。保証期間が十年以内という緊急保証の特長を生かし、借入期間を延ばして毎月の返済を少なくするパターン。小野部長は「売り上げ減少の企業が多く、年度末に向け、さらに申し込みは増えそう」と予測する。
大分銀行ではこれらの緊急保証で二百四十七件、五十三億五千七百万円(二十五日時点)を融資した。法人の小口融資専門窓口・ビジネスローンセンターの平田英司センター長は「通常月の約二倍の融資件数。二百―三百万円の申し込みが多い」と話している。
[PR]セントラル短資FX
※無断転載を禁じます。 当ホームページに掲載の記事、写真等の著作権は大分合同新聞社または、情報提供した各新聞社に帰属します。
Copyright (c) 2008 OITA GODO SHIMBUNSHA