
久々の一家だんらん。手前が長男を抱く男性。左が長女、右が妻=25日午後6時ごろ、杵築市大田の横岳荘
「車で生活していた。所持金がなく、もう限界」―企業の減産に伴って職を失った杵築市内の非正規労働者の家族四人が、乳児のミルクも買えないほど困窮し、二十四日夕、市の緊急相談窓口に助けを求めた。四人は、住む場所のない労働者のために市が短期提供を決めていた宿泊施設で、久々に体を伸ばして熟睡。布団の中でクリスマスの朝を迎えた。家族構成は男性(37)、妻(30)、小学生の長女、一歳の長男。
男性が請負会社から退職を求められたのは十一月中旬。働き始めて四カ月だった。「体調が悪く収入が安定しなかったため、アパートの家賃や光熱費、子どもの給食費を滞納していた。退職で収入がゼロになり、何も払えなくなった」という。家主からは年内に部屋を出るよう告げられた。水道は使えたが、電気やガスが止められ、同月末から車内で寝泊まりし始めた。
車中生活で全員が体調を崩した。わらにもすがる思いで市役所に駆け込んだ時、所持金は数十円。「万が一のときの電話代にと大事にしていたお金」だった。
宿泊施設「横岳荘」で久々に入浴した。市が支給した非常食を食べ、布団で寝た。妻は「子どもにクリスマスプレゼントを買ってあげられなかったのが心残り」とつぶやいた。
二十五日、男性は七草をパック詰めする短期の仕事に通い始めた。夫婦は「何とかここで年を越せそう。杵築市には本当に感謝しています」。
退職と同時に始めた就職活動で、年明けには新しい仕事が決まっている。運送業で今度は正社員。「もう、子どもにつらい思いをさせたくない」と話した。
市商工観光課は「ここまで切羽詰まった状況は初めてだった。行き詰まる前に相談してほしい」と呼び掛ける。年内は二十八日まで窓口を開設する。
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