大分のニュース

「採用取り消し」 実名で実態解明訴え

[2008年12月15日 13:42]

採用を取り消された胸の内を語る秦聖一郎さん=14日午後、大分市のアイネス

 県教委が教員採用試験で口利きによる不正な採用を繰り返していた問題で、不正採用の実態解明を求める県民集会が十四日、大分市のアイネスで開かれた。二〇〇八年度の試験で不正合格だったとして採用を取り消された大分市内の臨時講師、秦聖一郎さん(23)が出席し、「事件を風化させてはならない」と実名で訴えた。

 秦さんは今春、大分大学を卒業し、教諭に採用された。学生時代、合格発表前に教え子のリストを県教委幹部に送付した元教授の勉強会に参加し、リストに載っていた秦さんを含む六人が不正合格とされた。
 報告で秦さんは「自分は不正を頼んでいない。県教委の幹部は減給や停職など甘い処分にとどまっているのに、自分たちは見せしめとしてクビになり、人生を奪われた」と県教委を厳しく非難。「問題提起するためには実名で出るしかないと思った」と胸中を語り、損害賠償などの民事訴訟を検討していることを明らかにした。
 元教授はリストの送付は認めているが、口利きについては否定している。秦さんは「尊敬していた教授だが罰せられて当然。知っていることをすべて話してほしい」と求めた。
 秦さんは県教委から不正合格を告げられた様子を赤裸々に告白。いったんは「教壇に立てない」と思い、学校から私物を引き払ったが、子どもたちから手紙をもらい、来年三月まで臨時講師としてとどまる決意をしたという。小さいときから教員にあこがれていたが「今後、大分で教員をするつもりはない」と話し、週末は就職活動を続けているという。
 「採用を取り消された人の中には『大分で教員を続けたいので、県教委を敵に回すのは怖い』という人がいる。自分が表に立って訴えなければならない。これは人権問題だ」と述べた。
 集会には市民約百十人が参加。秦さんは「多くの人が集まってくれて心強かった。大分で教育を受ける子どもたちのため、県教委の体質改善の一歩にしたい」と述べた。

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