
写真は知的障害者の公共交通機関での通学の可能性について報告する斉藤康則講師
通学一人でできるように ヘルパーが一緒に
別府市中心市街地などで「福祉のまちおこし研究事業」を進めている大分大学福祉科学研究センターの中間報告会が二十七日、市内のサザンクロスであった。交通バリアフリー法の施行(二〇〇〇年)などでハード面の環境整備が進みつつある中、「学校、福祉行政、保護者が協働して支援することで、知的障害者の公共交通利用の可能性が広がる」などと報告した。
地方都市では高齢化や人口減少が進んでいることを受け、高齢者や障害者が暮らしやすい福祉の町としての活性化策を探ろうと、同センターは昨年度から三カ年計画で研究を進めている。
斉藤康則講師(地域社会学)は、障害者の移動による中心市街地への新たな人の流れの創出に着目。別府市内の特別支援学校に通う一人の中学生を対象に、公共バス通学の可能性を検証した。
まず授業の一環で「ボタンを押す」「行き先表示を区別する」などの教育をした。実践の必要性から、障害者自立支援法に基づく地域生活支援事業として市町村が行う移動支援サービスを利用し、ヘルパーが通学を共にした。通勤や通学ではあまり利用されないサービスという。
斉藤講師は(1)ヘルパーと一緒に帰る(2)ヘルパーは少し離れて帰る(3)(ヘルパーは変装して)離れて帰る―の各段階を踏み、「一人で通学できるようになった」と説明。
「知的障害者は物理的な環境整備ではなく、個別の対応が必要。移動に関してはこれまで保護者がする教育という認識が強かったが、今回のケースでは学校、ヘルパーといった第三者の目が一人で通学することへの自信につながったようだ。誰もがこのような支援を受けられることが大切」と話した。
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