
避難支援の個別計画を作成するため、要援護者から聞き取りをする県社会福祉協議会の村野淳子専門員(左端)=11日、別府市の自立支援センターおおいた
大地震や火災などの発生時、自力での避難が難しい高齢者や障害者らはどうすればいいのか―。別府市千代町で十二月七日、災害時要援護者の避難をテーマとした防災訓練が行われる。行政による支援体制づくりが全国的に進まない中、福祉関係者らでつくる実行委員会や県、県社会福祉協議会が企画。県内のモデルケースとなる支援の在り方を模索する。
別府市では昨年、重度障害がある女性が犠牲になったマンション火災や群発地震が発生。要援護者の防災対策が大きな課題として浮かび上がった。
県は各市町村に、避難支援の方法などを盛り込んだ個別計画を二〇一〇年度までに作成するよう指導しているが、個人情報保護法が壁となり、要援護者の把握すら十分にできていない自治体が多いのが現状。スムーズな避難のためには、地域住民が横のつながりを深め、要援護者が自ら積極的に声を上げることも必要と指摘されている。
訓練では実際に避難路や避難所を点検し、避難行動を検証することで、これまで見えなかった課題を探る。自治会の協力を受け、地区の約二割に当たる六十世帯(百十人)が参加予定。八班に分かれ、各家庭から一次避難所、二次避難所へと移動する。
車いす利用者など地区内の約十人に聞き取り調査をし、希望に沿って個別に具体的な避難計画を作成した。要援護者一人に対し一―四人程度のボランティアを配置。「車いすごと非常階段を下りる」「担架で運ぶ」「おんぶする」などして避難所までの時間も計る。
県社協の村野淳子専門員は「地域にどんな人が暮らし、何に困っているのか、どんな備えをすれば良いのかと住民が知る必要がある。日常的なつながりが少ない都市部で避難支援を考えることに意義がある」。実行委員会の事務局を務め、車いすを利用する河野龍児さん(40)=別府市=は「さまざまな問題点を挙げ、行政の体制づくりに役立てたい」と話している。
災害時要援護者の避難支援 2004年に福井県や新潟県などを襲った豪雨、台風で多数の高齢者が死亡したことを受け、国は05年に「災害時要援護者の避難支援ガイドライン」を策定。(1)情報伝達体制の整備(2)災害時要援護者情報の共有(3)避難支援計画の具体化―などを示し、各自治体に避難支援計画の作成を求めている。
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