大分のニュース

「高崎山復活」いばらの道

[2008年11月25日 09:54]

入園客数が低迷する高崎山自然動物園。累積赤字を抱え、抜本的な運営の改革が迫られている

 大分市の高崎山自然動物園の運営が危機に直面している。10月に公表された公園事業特別会計が県内の公営企業の中で唯一、自治体財政健全化法が定める経営健全化基準を上回った。市観光のシンボルとして君臨してきた高崎山。入場者の低迷が続く中、どう立て直していくのか。


資金不足比率40%
 自治体財政健全化法は北海道夕張市の財政破たんを契機に制定された。自治体破たんの再発を防ぐため、財政状況を的確に把握していく。「実質赤字比率」など四指標と公営企業会計の資金不足比率で判断する。
 高崎山事業特別会計の二〇〇七年度決算の資金不足比率は40・7%。経営健全化基準の20%を大きく上回った。本格適用される〇八年度以降、基準値を超えた場合、経営健全化計画を策定し、これに沿った厳格な取り組みが求められる。
 事業会計決算は一九九七年度に赤字に転じた。その後、駐車場収入の増加や大分マリーンパレス水族館「うみたまご」のリニューアル、ケーブルカー「さるっこレール」の新設に伴う相乗効果で入場者が増えて収支は改善に向かい、〇四年度以降、単年度黒字を確保している。
 累積赤字(昨年度決算で一億四百万円)を解消するためには本年度約四十五万人の入場者が必要だが、現段階で見通しは厳しい。市は経営健全化基準をクリアするため、一般会計から八千八百万円を繰り入れる方針で、十二月定例市議会に補正予算案を提出する。
 一方で、収支改善のため、人件費を含めた経費削減をさらに推進。収入確保に向け、修学旅行や社会見学の誘致に力を入れる。うみたまごと入場チケットをセットにして販売することも検討している。
 市は本年度策定した観光振興計画で「高崎山の復活」を柱の一つに掲げた。健全化計画を策定すれば、事業の縮小も検討せざるを得なくなる。市幹部らは「市観光のシンボルであり、事業の廃止はあり得ない」と口をそろえる。将来的には事業会計を一般会計に組み込むことも含めて検討しており、抜本的な改善に向けて試行錯誤が続く。


低迷続く入場者 「体験学習の場に」
 野生のサルの生息地だった高崎山は餌付けに成功した一九五三年に自然動物園として開園。「温泉巡りと高崎山」が別府・大分地区観光の定番となった。最盛期には年間約百九十万人の客を集め、「寄せ場が客で埋め尽くされた」こともあったという。しかし、旅行形態の多様化で入場者は年々減少。二〇〇一年以降は年間三十万人前後と低迷が続いている。
 高崎山では京都大霊長類研究所を中心にサルの生態調査・研究も進められており、個体識別調査法の確立など学術面でも重要な役割を果たしている。
 管理公社の河野光治業務課長は「今の子どもたちは自然と触れ合う機会が少なくなった。サルの生態観察を通じて学ぶことは多い」と体験学習の場としての重要性を強調している。

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