大分県と大分、別府両市のバス会社などは、運賃の支払いに大都市圏で普及している非接触型ICカードの導入の検討を始める。現在の磁気式カード(大分共通バスカード)の運用が将来的に難しくなるため後継システムに挙がった。買い物に使える電子マネーなどの機能を持たせることもでき、利便性の向上が利用者減少を食い止めることも期待できる。ただ導入費用や運営方法など課題も多く、関係者は慎重に検討する方針。県、大分、別府両市と大分バス、大分交通、亀の井バスなどでつくる協議会が、国の補助を受けた調査事業として来年度まで検討作業をする。
非接触型ICカードは、読み取り装置の改札機にかざすだけで乗車と運賃精算ができる。首都圏ではJR東日本のSuica(スイカ)などが普及。電子マネーとして使える店舗も増え、社会インフラともいえる決済システムになった。
大分、別府両市の路線で使われているバスカードは一九九九年度から三年間で導入した。全国でICカード導入が進む中、磁気式は機器が劣化しても修理や交換ができなくなる恐れがでてきた。「次のシステム導入には数年かかるので、早く対策を考えなければならない」(県バス協会)状況になっている。
導入すれば、降車時の精算の時間が磁気式カードよりさらに短縮される。記録情報が格段に増えるため、新しい割引運賃なども導入しやすい。また、ほかのICカードと相互利用をしたり、電子マネーの機能を付ければ、便利さはさらに広がる可能性がある。
一番のネックは費用負担。各バスに精算機を設置するほか、システムを統括する装置も必要。県総合交通対策課によると、カードに持たせる機能によって初期投資は数千万円から数億円と想定されるという。
最終的に判断するバス会社側は経営環境が厳しい中でメリットがあるかどうか、行政側は公共交通利用促進の名目でどれだけ支援できるかが鍵になりそうだ。
【鉄道、バスのICカード導入】 九州の鉄道では西日本鉄道(名称はnimoca=ニモカ)が今年5月に導入。JR九州(SUGOCA=スゴカ)、福岡市交通局(はやかけん)は来年春に導入予定。3社はJR東日本のSuicaとの相互利用を予定している。バスでは長崎、宮崎、鹿児島各県、北九州市で導入されている。
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