
農林作物への被害が減らないイノシシやシカを名物料理にして消費を拡大し、駆除の推進につなげようと杵築市山香町の「風の郷」で開かれた試食会
農林業に深刻な被害を与えているイノシシやシカ。ボタン肉(しし肉)、モミジ(シカ肉)として商品化したり、名物料理を提供することで駆除を推進し、地域の活性化につなげようという取り組みが杵築市山香町で始まった。販路拡大の鍵となる、おいしく味わえる料理を探る試食会が十四日、町内の温泉宿泊施設「風の郷」で開かれた。
県森との共生推進室によると、県内の農林業の鳥獣被害は年間約四億円。そのうち約七割がイノシシ、シカによるもの。
杵築市内では市猟友会が年間八百五十頭ほど捕獲しているが、被害は一向に減少しない。駆除を推進するため、個人消費が中心の肉の販路を開拓することにした。
市猟友会山香支部員の鶴成宏さん(65)=山香町内河野、農業=が自宅に処理施設を整備し、猟友会員に協力を要請。地域の農家にも、わな設置への協力などを呼び掛け、被害防止と安定的な供給を目指す。
販売面では、風の郷や町内のスーパー「神田楽市」などが協力して料理の提供や小売りをする。
鳥獣被害に悩む市や県もこの取り組みを全面的にバックアップ。県東部振興局地域振興部の寿久文部長は「うまくいけば地域も潤い、鳥獣被害も減る。モデルケースとなるよう、できるだけの支援をしたい」という。
試食会には行政関係者やホテル、旅館、食肉卸業者などが参加。定番のボタン鍋のほか、カツ、コロッケ、ワイン煮などの料理が並んだ。「柔らかくておいしい」「うま味がある」と参加者の評判は上々だった。
鶴成さんは「解体、精肉の処理の仕方が大事。試食会には手応えを感じた。皆さんの協力を得ながら数年後には軌道に乗るようにしたい」と話した。
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